MEDEFが新労使関係秩序の構築を各組合に呼びかける

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年2月

MEDEFは1999年11月15日、「新労使関係秩序」の条件を定める総会開催の前段階として2者間協議を行うために、5つのナショナルセンターに対し招請状を送付した。

CGT、民主労働同盟(CFDT)、労働者の力(FO)、CFTC、CGCの5団体へ送付された招請状には、「労使関係への一般化した、繰り返される国の干渉によって契約原則の内容が空疎化し、問題になっている」と記されている。この使用者団体は、交渉相手たちに対し、「労働関係および社会保障の分野における責任領域の他、公共当局と結ぶことができる新たな関係を共通的に定義し直すために、徹底的な検討と野心的な下準備の開始」を提案している。そして、「プログラム、作業方法、日程、処理すべき問題の優先順位を決定する総会」がその後に続くことになる。

MEDEFは、「当事者の各役割を定義し、労使対話が最も実りあるレベルを明確化するとともに、企業の競争力を損なうことなく、社会保障制度の運営を可能にする資金調達方法を決定し、我々双方の参加が必要となる領域を定め、労働者が立ち向かうことを求められている新たな危険から労働者をどのように守るのかを検討する」ことが必要だとしている。

また、MEDEFは、その招請状の中で、自らが現行の社会保障制度にとどまる条件を明らかにしている。政府が、週35時間制の財源として2000年に56億フランを社会保障制度から「間接」徴収するとの姿勢を変えないのであれば、MEDEFは直ちに制度から脱退することになる。

MEDEFが、社会保障制度から脱退する可能性があるとしても、もはや全国商工業雇用協会(UNEDIC)からの離脱を目指すことはない。しかし、MEDEFは、失業保険制度の将来を週35時間制協約の将来と結びつけようとしている。たとえば、MEDEFは、11月15日に、週35時間制に関する各部門協約の重視について政府が詳細を明らかにしない限り、新 UNEDIC 協約(協約は12月31日に期限切れになるが、MEDEFは11月2日に3カ月の期限延長を提案した)の交渉開始についても明言できないと発表した。MEDEFのドニ・ゴーチエ=ソバニャック UNEDIC 会長は、「ボールは政府側にある。すべての部門協約が尊重されるのであれば、当然我々も新 UNEDIC 協約に調印することになるだろう」と強調した。MEDEFは、11月2日、「第2週35時間制法において、各企業は5年の間その企業を対象とする部門協約の規定か法規定の適用かいずれかを選択できるようにすべきだ」との見解を示していた。

いまひとつ、雇用置き換え手当(ARPE)(UNEDIC の枠組みの中で採用と引き換えに早期退職を認め手当を支給する制度)に関して、MEDEFは予備提案を行い、労働側に対して、14歳もしくは15歳に労働を開始した労働者を対象とする規定だけを更新する用意があると明らかにしている。MEDEFは、11月2日に ARPE を12月31日以降更新する意思がないと伝えていた。しかし、労働側は、この措置全体を少なくとも1年間延長したいと考えている。

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