政府、失業保険制度導入へ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:2000年2月

労働・傷病兵・社会問題省(MoLISA)は1999年11月、失業保険草案および同草案施行のための指針を政府に提出した。もし法案が成立すれば、ベトナムで初めて失業保険が導入されることになる。草案によると、失業者は失業前の6カ月間の平均給与の60%を保障され、失業期間中の健康保険も与えられる。また失業期間中、職業訓練・再訓練コースに参加する際には費用の半額を助成金として受給する権利を持つ。失業保険受給期間は保険料支払い期間に基づいて定められ、3年~5年、5年~7年、7年~10年、10年以上の保険料支払期間に対応して、それぞれ8カ月、10カ月、12カ月、18カ月間の失業期間中の給付を得る。ただし労働者が自己都合で労働契約を解除した場合や、解雇が合法的に行われた場合には失業保険を受給できない。給付を受けるために必要な書類は失業保険証書、使用者による労働契約終結宣告、そして失業中であることを証明する文書類である。

失業保険の対象には、全ての経済部門で働く労働者が対象に含まれ、保険料率は、雇用者は月給の1.2%、使用者が同2.5%となる。ただし失業保険の対象外になるのは外国人、常勤ホワイトカラー国家公務員、軍人、農業に従事する労働者などである。失業保険基金は MoLISA が運営し、政府からも拠出を受け、失業者に十分な給付をできるようにする。失業保険法案とその指針は2000年前半に公表される予定である。なおサイゴンタイムズ1999年11月20日号によると、ベトナムの失業率は1996年5.88%、1997年6.01%、1998年6.85%、1999年7.40%(推計)で、失業率は上昇し続けている。

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