労働関係法の改正に疑問視
労働組合の幹部らは、労働関係法が改正されることを受けて、労働組合の強化を図ろうとしている。LCT(タイ労働会議)のプラテン・センサン事務長は、タイの労働者は18年もの間不平な労働条件のもとで働きつづけてきたのであるから、今こそ「ゲームのルール」を変更するときであるし、この改正によって労働組合と政党、国会との間で意見の交流がもっと活発化することを望んでいると述べた。さらに、組合活動を活発化するためには、労働者を保護することが必須であることを強調した。
組合の存在を恐れた使用者によって解雇された従業員は多い。タイ全国で登録されている約4万の私企業のうち、約1000の組合が存在するが、労働者の利益や権利のために努力している組合はそのうち約半分であるといわれている。
タイ金融財政労働関係協会(The Banking and Finance Labor Relations Organization of Thailand)のサクン・セソンタム事務局長によれば、現在の労働関係法では、雇用関係の仲裁過程において、労働者よりも使用者に優先権を与えているために、労働組合側は法律を国会で再検討するように20人の下院議員に協力を求めたという。
一方、チュラロンコン大学の労使管理・開発センターのレー・ティロクウィタヤラート氏は、「タイの労働関係法は国際的な基準を満たしておらず、労働組合労組の存在があたりまえのものとして認識されているにとどまっている。来る法改正も、投資家の利益が最も反映されるように草案されている。政府は労働者の権利を鑑みずに、労働組合を調整しようとしている」と指摘している。
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