ミシュランの雇用削減反対デモに数千人の労働者が参加

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年12月

タイヤ製造メーカーのミシュランは9月8日、旧大陸での優位と収益を維持するために、1999年上半期に増益を記録しているにもかかわらず、2002年末までに欧州全体で従業員の10%(7500ポスト)を削減する計画だと発表した。ミシュランは今回の決定の理由として、ライバル2社(日本のブリジストンと米国のグッドイヤー)との競争の激化を挙げている。ミシュランによると、ポスト削減は必ずしも従業員の減少につながるわけではないが、一部の従業員(その数はまだ未定)は配置転換提案を受けることになるという。しかし、再編計画には「現場の閉鎖」や「一部の技術業務サービスの中止」も盛り込まれている。

この黒字企業の大量解雇計画の発表に対しては、政界と労働界から一斉に激しい非難が巻き起こった。共産党のユー全国書記は、「政府は言葉で注意を呼びかけるだけでなく、何らかの措置を講じる必要がある」とし、「共産党の解雇モラトリアム提案を実施に移すべきだ」と主張した。

また、緑の党のマルチーヌ・ビラール氏は、「ミシュランに対する公的補助をすべて拒否し、利益を上げながら解雇を実施する企業には解雇コストを支払わせるべきだ」と首相に要求した。

一方、欧州労連(ETUC)に加盟する欧州鉱業・化学・エネルギー連盟(EMCEF)は、「恒常的に高い利益を上げている健全な財務状態のグループが雇用を犠牲にして収益性と競争力の改善を追求するのは容認し得ない」とし、「今回の乱暴な計画と直接的に関係するすべての加盟組合を動員するとともに、各国の生産現場への影響を評価するためにフランス、英国、ドイツ、スペイン、イタリアの組合担当者と話し合うつもりだ。」としている。

なお、ミシュランは1999年上半期に純利益を17.3%増大させ、19億フランを計上した。

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