AEEU、ノー・ストライキ協約締結

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

製造業の最大労組、合同機械・電気工労組(AEEU)は8月25日、英国第2のチャーター航空会社の姉妹会社、モナーク・エアクラフト・エンジニアリング(MAEL)とノー・ストライキ協約を締結した。これにより、AEEUは同社の唯一の交渉相手として承認される代わりに、争議行為に訴えることを禁じられる。AEEUは、年末までにさらに多くのパートナーシップ協約を結ぶ意向を明らかにしている。

同協約は1000人以上の従業員をカヴァーする。労使紛争を未然に防止するため、拘束力をもつ中立的な仲裁機関を導入し、組合はストライキを初めとする争議行為に訴えることを一切禁じられる。代わりに、MAELは交渉相手としてAEEU以外の組合を承認しない。

協約はまた、組合とMAELは「市場動向や顧客の需要に合わせて全従業員が柔軟に働く必要を認める」、「MAEL内部での様々なエンジニアリング活動の柔軟性および、MAELの事業目的に沿った新しい技術・手法の学習・導入の必要性を認める」と明記している。

AEEUのケン・ジャクソン書記長は、同協約は、かつての対決の時代への後戻りはありえないことを証明していると述べ、年末までにさらに多くの企業とパートナーシップ協約を結ぶ意向を明らかにした。  AEEUは70万人の組合員をもつ英国第4位の組合で、パートナーシップ協約推進のパイオニアを自負する。7月にも韓国のエレクトロニクス企業、LGエレクトロニクスと従業員1800人をカヴァーする国内で最大規模のパートナーシップ協約を締結している。

一方、MAELのブロンウェン・フィルポット人事部長は、AEEUはパートナーシップこそ競争力や利益率の改善への道だと考えており、そのプロフェッショナリズムに感銘を受けたと論評している。

だが、他の多くの組合はAEEUの最近の動きに対し、労働組合会議(TUC)の意に反して企業に安易に過度な譲歩をしていると冷ややかな態度を示している。

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