第2週35時間制法案、国民議会社会問題委員会へ提出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

オブリ雇用相は第2週35時間制法案を国民議会社会問題委員会へ提出した。法案の審議は1999年10月5日から始まる。連立与党の共産党が法案のほとんどの規定に反対しており、同党スポークスマンのマクシム・グルメ氏は現状では「賛成票を投じられない」と言明している。また、9月8日から一連の公聴会を開始した保守系野党も法案には批判的だが、今のところそのトーンはさほど高くない。一方、社会党と緑の党は雇用相を支持している。そして、経営者団体のフランス企業運動(MEDEF)と中小企業総連盟(CGPME)は法案に反対する使用者の大量動員を計画しており、10月4日のパリ大規模集会へ向け、準備を進めている。

週35時間制の実施に関しては、すでにいくつもの総括報告書と2つの国会「中間」報告書が発表されているが、数日中にこれに新たな調査報告書が付け加えられる。しかし、いずれも共産党を納得させることはできなかった。グルメ議員(ソム県出身)は、共産党が目指している100前後の修正案は17条の法案のほぼ全体にわたっていると述べている。対象となるのは、最低賃金(SMIC)の引き上げ、時間外労働基準、6%の採用義務の復活、管理職の労働時間計算、パートタイムの新定義、労働者が拒否した場合の解雇に関する規定の削除等々である。

雇用相にとっての慰めは、緑の党からの支持である。同党の担当者イブ・コシェ議員(バル・ドワズ県出身)は、週35時間制が「1936年以降のすべての法制の中でもおそらくは最も重要なプロセスだ」と最大限の支持を示した。同議員は、時間外労働の過渡的措置が現状維持に利することがないように、しかし規定を「厳格にする」のではなく、「改善する」目的で努力してきた。同党のドミニク・ボワネ党首は夏の間に雇用相と2度話し合ったが、共産党とは異なり、企業の週32時間制への移行も促進するべきだと主張している。

内容の複雑さに不安を抱く社会党議員に対しても、オブリ雇用相は時間外労働を認めた1年の猶予などについての懸念を沈めようと努力している。雇用相は、「6~9カ月の企業交渉が必要になるし、新規採用についてはその後さらに3カ月程度が必要になる。したがって、プロセスは平均1年程度継続することになる。もしも我々が時間を与えなければ、協約の質が悪化することになるだろう」と説明している。

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