9000人募集に150万人応募

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

政治家や三権の高官達の情実雇用の場所となっていた公共機関、公社、財団などに、史上初めて能力テストを実施し、不合格者は解雇する法令が発令され、これから徐々に実施されると見られている。市中銀行と対等に競争する立場に立たされた国立銀行のブラジル銀行では、トップを切って行員の水準向上を実施する方針を打ち出し、9000人を公募すると発表した。いつから採用するかは、決定していない。9000人を一度に交替させると政治的圧力によって妨害されることを怖れるもので、単に拡張に伴い採用すると発表している。給与は700レアル(約388.89ドル)、最低学歴は中等科(12年通学)卒以上、英語の語学力と、コンピューター操作を最低条件にしているが、国立銀行として、雇用が安定しているために、150万人が応募したと推定されている。競争率は170倍となっており、合格すると受付からスタートする。ブラジル銀行の人事課によると、学歴は中等科以上となっているが、60%以上は大学卒、或いは修士課程終了者の学歴所持者で占められると見ている。150万人もの応募があった理由として、第一に失業の増加が挙げられており、労働市場では経験、学歴に関係なく人員整理が進んでいるために、大学卒の失業者もかなり増加している。

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