ボーイング社、労働協約締結合意

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年11月

航空・防衛業のボーイング社と同社の最大労組である国際機械工組合(IAM)交渉代表は1999年8月28日、向こう3年間の労働協約に関し合意に達した。この提示案は国際機械工組合(IAM)交渉代表が「奇跡だ」ともらしたように、組合側の要求のほとんど全てを満たしており、数日後に行われた、4万4000人のIAM一般組合員の71%以上が参加した投票で2万6842人が賛成票を投じ大差をつけて批准され、懸念されていた商業用飛行機部門を麻痺させかねないストは回避されることになった。

今回の労使交渉の中で同社は当初、交代勤務時間を週7日にわたって設定し時間外手当を伴わない週末勤務を提案したため、組合側から抵抗を受けていた。しかし交渉終了間際に同社はこの提案を取り下げ、さらに従業員に健康保険料の一部を負担させるという案を撤回した。同社は下請け利用による従業員解雇を行わないと約束した一方で、より安価な労働力を用いる下請けにどの仕事を出すかについて最終的決定権を確保した。

提示された賃金は業界で最も高いものの一つになっている。ボーイング社の機械工の平均年収は時間外手当や給付を除いて4万4000ドルだが、合意された条件では、年収10%のボーナス、あるいは1人当り平均4400ドルが支払われるほか、次の2年間に毎年4%の賃上げ、そして3年目には3%の賃上げが定められている。また毎月の年金給付額も25%増額される。

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