鉱山部門再編でストの危機

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

フランコ体制下の1950年代、スペイン政府は戦略的重要性・雇用創出力などの観点から鉱山の大部分を国有化した。しかし1980年代の社会党政権時代、鉱業、特に石炭業の大再編に手がつけられる。石炭の鉱脈はスペイン北部カンタブリア山脈一帯に集中しており、この地方における再編による雇用への打撃が甚大であったことはいうまでもない。

当時より再編に対しては激しい抗議が繰り返されてきたが、政府との間で定年前退職の合意が達成されて以来、同地域での事態は沈静化に向かった。一方欧州連合による鉱業からの公的部門撤退の圧力に対し、スペイン政府は今のところ抵抗を続けている。しかし今後数カ月間に鉱業部門における公企業の再編が予定されており、これにともなって1980年代ほどの規模ではないものの労働者の解雇が行われるのは必至である。労組はすでに運動をはじめており、1999年後半にかけて紛争が続くものと見られる。

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