ニッサン・モトール・イベリカ、1998年は利益を回復

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

日本の日産グループ傘下にあるニッサン・モトール・イベリカ社(自動車製造)は、1998年67億1200万ペセタの利益をあげたが、これは1997年と比べ実に400%という伸び率である。売り上げは2350億ペセタを超すが、1997年を下回っている。

同社は1990年代半ばに経営不振におちいり、大幅な人員削減・労働紛争といった困難な状況に対面してきたが、今回の順調な成績の背景にはコストおよびストックの削減、生産性の向上努力がある。労働力再編の動きは現在も続けられており、2000年までに労働者約700人の定年前退職が予定されているが、これは会社にとって110億ペセタ程度の負担となる。

このような逆境とは裏腹に、見通しは明るいようである。スペインの自動車市場の成長は欧州連合諸国の間でも群を抜いており、近い将来この傾向にかげりが見える気配もない。新モデル「アルメラ・ティノ」の生産に必要な投資を予定しているため1998年ほどではないものの、ニッサンは1999年も3年連続で利益をあげる見込みである。「アルメラ・ティノ」の生産は、カタルーニャ州バルセロナ市にある工場で2000年5月に開始する予定である。

この新プロジェクトのための投資は、スペイン全体で400億ペセタ以上にのぼるが、うち270億ペセタは1999年内に投資される。また投資額の4分の1以上が新型ディーゼルエンジン製造にあてられるが、これはティノだけでなく、ニッサン英国工場で製造される別のモデル用にも使われるものである。

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