使用者団体、労災防止に10億ペセタを投じる

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

1990年代半ばより労災は増加の一途をたどっており、労災防止のためにとられた様々な措置も思わしい効果をあげていない。労災の増加の原因自体はつきとめられていると考えられるが、問題はしばしば死亡をともなう重大事故の発生をしやすくしているスペインの労働市場の性格そのものにあり、これを変えるのは困難である。

労災の増加は景気の好調と直接関わりがあるように見える。つまり労働市場に新たに参入する労働者が増えるが、彼らは仕事上必要とされる適切な訓練を受けておらず、通常は期限付雇用労働者であり、労災の犠牲になりやすいグループである。

スペインコンクリート製造者連盟では労災予防キャンペーン・訓練コース実施に10億ペセタの投資を行ったことが報じられているが、これは労働市場の重要事項の運営を公的部門から民間(企業・労組)の手に移していくという、現政府の典型的な手法とも無関係ではない。

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