正規従業員の賃金、2万ポンドを突破

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

賃金調査機関、インカム・データ・サービシズ(IDS)が1999年7月5日に公表したレポートによると、正規従業員の平均賃金は年間2万265ポンドで、はじめて2万ポンドの壁を突破した。25年前は男子正規従業員で2480ポンドであった。

もっとも、ここ数カ月の賃金上昇率が特に高かったというわけではなく、むしろレポートは、4月に導入された最低賃金は期待に反し、支払賃金ないし平均賃金の上昇に寄与していないことを明らかにしている。年初4カ月間の支払賃金の上昇率は3.6%で、一時は年初来の低下傾向に歯止めがかかったかに見えたが、IDS の最新の分析では支払水準はわずかに低下している。

それによると、108件の賃金決済のうち半数は上昇率2~3.4%、4分の1以上が3%以下となっている。原因について IDS は、インフレ率の低下を指摘している。

また、最低賃金の導入で平均賃金の上昇が最も期待されていた2つの産業、小売りとホテル、レストランでは、今のところ変化はほとんど見られず、したがって、他産業へのいわゆるドミノ効果も出ていないようだ。

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