パートタイム雇用、急速に減少

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年10月

僅少就業(630マルク就業)に関する新規定が1999年4月1日に施行されて以来、従来この就業形態で雇用されていたパートタイム就業者の急速な減少が各方面で報じられていたが、これをある程度裏付ける統計が1999年7月8日に連邦統計庁によって明らかにされた。

特に僅少就業者の多かった商業(小売・卸売業)とホテル・レストラン業で、1998年に比べてパートタイマーの減少が目立ち、この分野では1999年4月のパートタイム就業者は1998年同月比で11万人減少し、6.1%の減少を記録した。1999年4月の就業者数を見ると、小売業、卸売業、ホテル・レストラン業全体のパートタイム就業者数は170万人で、これは前月比で10万6000人(5.8%)の減少だった。

これを業種別に見ると、特に減少が目立ったのはホテル・レストラン業で、1998年同月比で14.1%減少した。卸売業では6.5%減少、小売業では2.3%の減少を記録した。商業においても、その中の部門によってはホテル・レストラン業同様、2桁台の減少を記録した。例えばラジオ、テレレビ、オーディオ器具を扱う小売業の分野では、1998年同月比で16.2%の減少だった。

ドイツ卸売・貿易連邦連盟は、新僅少就業規定の施行により、従来懸念されていたネガティブな影響が卸売業においては確証されたとしている。ミヒャエル・フックス同連盟会長は、630マルク就業の雇用関係は、雇用主と被雇用者のどちらにとっても割に合わなくなってきており、新規定は連立政権の思惑と異なり、雇用を削減するように機能しているとしている。同会長は連立政権に対して、新規定を可能な限り早く旧規定に戻すことを要望している。

これに対してノルトライン・ウェストファーレン州のイルゼ・ブルージス労相(SPD)は、小売業ではますます多くの業種が630マルク就業を社会保険加入義務のある雇用に転換しており、これは発表されたパートタイム雇用の減少を示す統計からは未だ読み取れないとしている。

ちなみに連邦統計局によると、商業、ホテル・レストランにおいて、4月のフルタイム雇用は1998年同月比で0.1%上昇している。

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