男女間賃金格差、西欧で最大

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年9月

英国のフルタイム労働者の男女間賃金格差が西欧諸国で最大であることが、欧州労働組合連合(ETUC)の調査で明らかになった。英国では団体交渉による賃金協定が賃金格差の縮小に寄与しているわけではない実態が浮き彫りになった。

調査は、欧州連合(EU)がETUCに委託したものだが、その結果によると、英国の男性の時間当り賃金は女性よりも34%も高く、西欧諸国で最大。ほかに格差が大きいのは、ギリシャで32%、オランダで31%に達している。

逆に格差が最も小さかったのはスウェーデンで17%。以下、ルクセンブルク(19%)、デンマーク(21%)、フィンランド(22%)と続く。また旧東独地域は12%で、旧西独地域の26%をはるかに下回っている。なお、西欧諸国の平均は27.5%であった。

調査ではさらに、男女間賃金格差は若年層でよりも46歳以上の中高年層で大きく、また事務・肉体労働者よりも管理職で大きいことも明らかになった。企業規模による違いは小さいようだが、従業員10人未満の企業は調査対象に含まれていない。

気になる格差の原因だが、調査報告は、経済や経営の観点から見て合理的な要因では説明できないと結論づけている。

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