CGC大会・新会長にジャン=リュック・カゼット氏を選出

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

フランスの記事一覧

  • 国別労働トピック:1999年9月

予定されていた通り、マルク・ビルブノワ氏が退任し、ジャン=リュック・カゼット氏(55歳)が管理職総同盟(CFE=CGC、略称CGC)の会長職を引き継ぐことに決定した。6月16日からトゥールで開催された第31回CGC大会は「統一の兆し」を窺わせながら6月18日に閉会した。唯一の候補者カゼット氏は大会から満場一致で選出された。大会はその後、代表副会長、書記長、全国財務長、6人の全国書記など、全国事務局のその他のメンバーを指名した。そして、大会参加者はCGCの「政府」とも呼ぶべき16人の全国代表(執行委員会を構成する)を選出するために投票を行った。

同盟事務局は単記投票で選出された。任期を終えるビルブノワ会長は女性登用枠の拡大を望んでいたが、選出されたのはこれまでと同様1名にすぎなかった。同盟事務局は10人で構成されているが、昨秋の「近代化会議」のときに、会長と書記長の間に位置する副会長のポストが新設された。

  • 会長:ジャン=リュック・カゼット(前社会保障担当全国書記)
  • 代表副会長:クロード・カンビュ(前書記長)
  • 書記長:ジャン=ルイ・バルテール(元雇用担当全国書記)
  • 財務長:エリオ・インサ(前組合活動担当全国書記)
  • 全国書記:ミシェル・ラミ(経済・研究・開発担当、再任)、ジャン=クロード・ブリウズ(教育・職業訓練・文化担当、再任)、ジャン・マルク・イカール(雇用担当、再任)、ソランジュ・モルジェンステルン(社会保障担当、前全国代表)、クロード・クルティ(生活環境担当、再任)、アラン・コーマルタン(資金調達・支援者担当)

カゼット新書記長は「追随的」な組合運動に終止符を打ち、CGCを「反論と提案」の組合へ変えていくとの考えを明らかにした。「CGCは社会の進歩に飲み込まれるのでなく、これに影響を与えていかなければならないのだから、政府と経営側に対してもより攻撃的になっていく」という。新書記長はまた、「管理職を含む労働界全体の利益に沿った方向へ進むのであれば、CGTとの連携も排除しない」との姿勢も示した。

一方で、新書記長は企業と官公庁における管理職の地位を再確認するために、フランス企業運動へ「管理職の身分に関する全職業交渉」の開始を求めた。また、統一の概念を前面に押し出しながら、農業界におけるCGCの立場が今年10月27日に行われる農業共済組合選挙の機会に強化されるように各組合員の努力が求められた。

まだ数は少ないが、CGCの代議員たちの発言の中に変化の兆しが感じられた。管理職は「もはや企業を信頼してはいない」(イブ・エラン科学連盟代表)し、「企業と断交寸前の状態にある」ばかりか、「常に利益増大を望む株主独裁主義に直面して、労働者の一般的劣悪待遇からも逃れられなくなっている」(12年間に5回の合理化計画を経験したユニルベールの従業員)という。こうした「地獄への急降下」の中で「もはや管理職はリストラクチャリングのアリバイ証明に貢献する必要はない」との声も出始めている。

1999年9月 フランスの記事一覧

関連情報