東京三菱銀現法、人種差別で敗訴

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年8月

雇用審判所は6月16日、東京三菱銀行の証券現地法人、東京三菱インターナショナルから人種差別的な処遇を受けたとするインド人元従業員の訴えを認める判決を下した。東京三菱インターナショナル側は控訴を検討している。

元従業員はマサチューセッツ工科大学で MBA(経営管理修士号)を取得後、米大手銀行ベア・スターンズなどを経て、1996年11月に東京三菱インターナショナルのデリバティブ(金融派生商品)部門に移籍したが、ボーナス引き上げと昇進を拒否されたため1998年6月に辞職した。

訴えによると元従業員は、この間、本人が重要な役割を担っている取引についての会合に出席できなかったほか、中傷されたり昇進を拒否されるなど日本人でないことを理由に差別的な扱いを受けたと主張、雇用審判所は訴えを大筋で認めた。

東京三菱インターナショナル側は「元従業員の主張が認められたことはきわめて遺憾であり、雇用控訴審判所に控訴することを検討している」としている。

人種差別に対する補償額には上限が設けられておらず、元従業員は100万ポンド(約1億9000万円)以上を要求するものと見られている。両者の間で合意に達しない場合、審判所が再び聴取を行ない、補償額を決定する。

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