CFDTから脱退を目指すバス・ノルマンディの反主流派

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年8月

CFDT の反ノタ派にとってはまったく耐え難い象徴的な敗北だった。反主流派「トゥー・サンサンブル」(1月に解散)が敗れたリールの CFDT 大会からほぼ5カ月後、5月6、7両日にエルビル(カルバドス県)で開催された CFDT バス・ノルマンディ地域連合大会において、反ノタ派は歴史のあるひとつの砦を失った。

「トゥー・サンサンブル」の中心人物の1人であったエチエンヌ・アダム氏率いる執行部の提出リストから幹部5人が突然離脱したために、この交代劇が引き起こされることになった。1995年から同地域連合の書記長を務めていたアダム氏はその職を去った。引き継いだのは明らかに主流派寄りと見られるダニエル・ジャム氏である。

伝統的に激しい動きに見舞われてきたバス・ノルマンディ地域連合は、1974年から反主流派陣営に属してきた。同地域連合はこのとき、CFDT と社会党との接近に激しく反対していた。1980年には、代行労働協約に反対する大キャンペーンを展開した。そして1995年からは、プロバンス=アルプ=コート・ダジュール地域と並び、反ノタ派が支配する中心的組織となった。

リール大会が主流派に信任状を与えただけに、CFDT の反主流派はますます難しい立場に追い込まれている。この大会からわずか数週間後に、都市輸送連盟の幹部は輸送連盟と同様に空しく連立基盤を模索した。こうした主導権を奪う試みは同盟執行部から指令が出されているのだろうか。アダム氏は、「バス・ノルマンディ作戦は背後に同盟執行部の力がなければ実施できない」と考えている。

バス・ノルマンディの反主流派は CFDT からの脱退についてはまだ決定を下していないが、その可能性を完全に排除してはいないし、一部の者は CGT への加盟も視野に入れているようだ。「クーデター」なのか、そうではないのか。いずれにせよ、バス・ノルマンディ事件は新たな戦略を決めかねている反主流派に厳しく未来を問いかけている。

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