金融部門、単一労組結成へ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年6月

英国の金融サービス部門を代表する新しい労働組合、ユニフィ(Unifi)が5月に結成されることになった。加入者は最大で20万人に達する見通しで、指導者らによると世界最大の単一金融労組になる。

ユニフィは、銀行保健労組(BIFU)と、ナショナル・ウェストミンスターおよびバークレーズ両行の従業員協会の合併から生まれる。3団体の加入者は圧倒的多数で合併を支持している(BIFUで賛成票96%(投票率37%)、バークレーズで同93.3%(同39%)、ナショナル・ウェストミンスターで同91.2%(同43%))。

新労組の結成を構想した背景として指導者らは、この10年の間に金融部門で解雇や支店閉鎖、賃金・労働条件・人事面での攻撃が相次いだことをあげている。ユニフィの共同書記長の1人、エド・スウィーニーは「ユニフィの結成は、従業員が単一の代表を必要としていることを金融界にはっきりと示すものだ」としている。

同書記長によると、推定で150万人が働く金融部門にあってユニフィは拡大の可能性が十分にあり、当面は大手銀行であるロイズ・TSB のグループ組合に参加を呼びかけていく。長期的には、すべての金融部門従業員を代表する単一労組の結成をめざし、「80年にわたる金融部門労組間の激しい対立」に終止符を打ちたい意向である。

ユニフィはまず、ナショナル・ウェストミンスターの賃上げオファーをめぐる争議行為を投票にかけることから活動を開始することになりそうである。また、3年前に組合承認を取り消した HSBC・ミッドランド銀行に対し「職場における公正」関連法に基づいて再承認を求める予定。

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