ETUCがCGTの加盟を承認

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年6月

欧州労連(ETUC)の執行委員会は3月16日、ほぼ満票(反対票は労働者の力(FO)の2票だけ)でフランス労働総同盟(CGT)の加盟を承認した。CGTはETUCに加盟する66番目の労働組合となるが、フランスからは FO、CFTC(キリスト教労働者同盟)、CFDT(民主労働同盟)に次ぐ4番目である。この加盟決定は直ちに効力を発揮するが、正式な承認はヘルシンキで5月末に予定されているETUC大会を待つことになる。

CGTのベルナール・チボー書記長は「この加盟によってETUCにおけるフランスの発言力が強まることは間違いない」と評価したが、「FOの立場はさまざまな問題で明らかにされているその見解と矛盾している」と批判した。

一方、「CGTは政治的な独立の点で問題がある」として加盟に反対の立場をとってきた FOは、遺憾の意を表明した。FOによると、「ソ連の崩壊と現実的な立場から、フランス共産党と CGTは『発展』を表明せざるを得なかったが、CGT指導部の共産党員の数は以前よりも増えている」という。

ETUCのエミリオ・ガバリオ書記長は今回の決定について「多元主義的なETUCの特徴が再確認された」と評価するとともに、「欧州統合という課題を前に、組合行動の要求に対する CGTの発展が今回の決定を可能にした」と述べた。

ところで、ETUCはやはり加盟を申請していた全国自治組合連合(UNSA)についても審査を行った。執行委員会ではUNSA加盟に過半数の支持が集まったが、必要な3分の2には達せず、5月20~21日に改めて検討することになった。フランスの加盟団体では FOとCFTCは反対しているが、CFDT は支持を表明している。FOのマルク・ブロンデル書記長は、ガバリオETUC書記長へ宛てた3月4日付の要望書の中で「FOにとって、複数の FO脱退幹部を受け入れたUNSAとの共存は難しい」と述べている。

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