大都市ホワイトカラーの人気職業
北京、上海などの大都市では、多くの会社が人を募集する際に、少なくとも大学専科(日本の短大に相当)以上の学歴を要求するのは、今日既にごく普通になっている。短大卒といえば、ホワイトカラーに属する人々である。こうした学歴を持つ人々の望む職業と会社側の需要はマッチしているのだろうか。北京の民間調査会社「上行透式360度調査システム」は最近こういう内容の市場調査を多く行っている。新聞で報告された調査結果に従って、中国都市部ホワイトカラー層の人気職業を探ってみよう。
この調査は1998年12月、北京市において、1032名の求職意向を持ち、大学専科以上の学歴のホワイトカラーに対して行ったものである。調査結果によると、ホワイトカラーの人々の中には、財務、営業、コンピュータ、国際貿易、マーケティングに従事したい者は、全体の52.61%を占めている。つまりこの6つの分野が半分以上のホワイトカラーにとってはもっとも人気の高い職業である。
そのうち、トップの座を占めているのは行政管理あるいは企業経営で、求職意向のある者全体の12.11%を占めている。次は財務関係の仕事で、全体の10.95%を占めている。経営管理あるいは財務関係の仕事は相対的に安定し、専門性が強く、人気の高い理由になっているとこの記事が分析している。職業選択に直面する子女に、親は財務関係を勧めるという家庭が多いといわれている。しかし、実際、現状では、財務関係の分野において、供給が需要を大きく超過し、就職は相当厳しい競争にさらされそうである。
技術分野に限定して言えば、人気職業はコンピュータの専門職である。コンピュータ関係に従事したいと答えた人は全体の8.62%を占め、技術分野ではトップになっている。情報化が進む中で、最先端のコンピュータ分野に就職したい人が多くなっていることを現している。しかし、現在、企業が人を募集する際に、コンピュータ人材が依然として不足しているとの嘆きが多く、コンピュータ業界では専門人材の供給が需要に追いつかない様子である。
それに比べ、マーケティングに従事したいホワイトカラーは相対的に少ない。市場経済の進展に伴って、都市部企業にすれば多くのマーケティング人材をすぐに必要としているような状況にある。しかし、この分野に就業したい人材は相対的に少ないようである。法律分野に就職したい者も比較的に少なく、1.26%にとどまっている。中国はこれから法治を強化すると表明しているが、この分野では人気が上昇する傾向にあると読まれている。
全体的にみて、ホワイトカラーの求職希望と企業側の求人希望とは必ずしもマッチしないというのが、この調査の一つの結論である。ホワイトカラーでも専門性が低すぎると、必ずしも理想的な職業にはつくことができず、さらに多くの能力を身につけなければならないと結論付けている。
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