CFTC:反主流派を粛清

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年5月

キリスト教労働者同盟(CFTC)では先ごろ、指導部への批判を強める2人の副議長ベルナール・イバル氏とジャン=ポール・プロブスト氏が今年11月に予定されている次期大会でそれぞれ議長と書記長に立候補すると発表して注目を集めたが、プロブスト氏は2月25日、同盟評議会によって全国家族手当金庫(CNAF)会長の職から解任された。「長期にわたって指導部を公に批判した」として処分を受けたプロブスト氏は1992年10月以来同職にあった。

CFTCの指導部は、2月25日まで開催されていた同盟評議会がプロブスト氏から同盟副議長の他、「すべての対外的代表権限」を剥奪したと発表した。プロブスト氏によると、「辞任を求める無為な試み」の後で解任を支持したのは、同盟評議会(44人で構成)に出席した33人のメンバーのうち21人だけだったという。この決定は、彼の目には、「非難されていることとは関係のない社会的役割」の遂行を妨げる「言論違反」となる。

アラン・ドルー議長は「CNAFの会長としてプロブスト氏は何も非難されるべきことはない」とし、「今回の決定は2月23日にプロブスト氏とイバル氏が11月のディジョン大会でドルー氏に対抗して立候補する意思を表明したこととも関係がない」と述べている。だが、大会まで9カ月という時期に、スターリン主義的な粛清の開始を恐れていた反主流派に対し、初めて処罰を行ったことになる。同盟評議会のあるメンバーは「ドルー議長は専横主義的だとの批判を受けていたが、彼は今回それを確認したことになる」と述べた。一方、次期大会で「かつてない可能性のある候補者」となるプロブスト氏は「他の批判者や自分を妨害する別の手続きが導入されるのではないか」と不安感を抱いている。

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