ホテル・イクワトリアル従業員、旧正月ボーナスの半減にスト

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年5月

1998年に400万ドルの赤字を出したホテル・イクワトリアルで、恒例の旧正月ボーナスの半減を通告された従業員約70人がストに入り、スト2日目には参加者が200人近くになった。旧正月ボーナスは通例、2カ月分の月給に相当する額となっており、これは特に外資系大企業で働く従業員に適用されている。今回のストの原因は、同ホテルがこれまでに約130人を解雇し、残された従業員の仕事量が増えているのにも関わらず、ボーナスを減らされたことである。ホテル経営陣、ホーチミン市の労働局(DoLISA)、ホーチミン市開発投資省事務局、第5地区労働組合などがホテル従業員と協議し、もしも同ホテルが今後、利潤を上げることができれば6カ月後にボーナスの半額を支払うことで合意、1月29日、ストは1日半で終わった。しかし同ホテル労組のDoLISA Phuoc委員長によると、従業員は今回の調停に満足していない。他の高級ホテルも低充室率に悩んでいながら、旧正月ボーナスを支払っている。これに比べ、ホテル・イクワトリアル従業員は、1999年1月から6月までの各月で、売り上げが45万米ドルに満たなければ、ボーナス未払い分の6分の1を削減される。従業員は、ホテルの赤字により、ボーナスを削減されることを予め知らされておらず、ボーナス削減は不当と考えている。従業員の立場の根拠となっているのはDoLISAが1月に署名した文書で、この中でボーナス最低額は1カ月分の給料を下回ってはならないとされ、損失を出している企業について特に言及されていない。これに対し、経営陣が主張の裏付けとしているのは労働法64条で、満額の旧正月ボーナス支払いを企業の黒字経営という条件に結びつけている。

Phuoc委員長によれば、同ホテルの労働組合は1997年7月に発足したが、これまでに同労組の総会を開いたことはない。1998年11月に総会が企画されていたが、組合員の3分の1しか姿を見せず、完全に失敗したという。しかし、ボーナス削減の噂が広まると、多くの非組合員従業員がPhuoc委員長に情報を求めていた。

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