アメリカン航空、パイロット乗務拒否問題、決着へ

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年5月

リノ航空の買収をきっかけに、アメリカン航空でパイロットによる乗務拒否闘争が2月6日から開始されていた。同月16日、テキサス州ダラスの連邦地裁が、スト中止命令に従わないパイロット組合に対し1000万ドルの罰金の支払いを命じることにより、今回の労使紛争はいったん終結することとなった。

紛争の原因は、パイロットの賃金が半分程度低いリノ航空を買収したことにより、アメリカン航空が賃金の圧縮や解雇を検討し始めており、同社パイロットたちがこのことに反発したことにある。6日から15日まで「病欠」の名目で事実上のストライキを展開した。その結果、アメリカン航空では6600便もの欠航を迫られ、約8000万ドルの損失を受けたと見られている。

いったん紛争は終結したが、労使間の対立は依然くすぶっている。さらに地域航空会社の買収を表明しているデルタ航空などへ、この対立が飛び火する可能性もあり、米航空業界における労使関係の今後の動向に注目する必要がある。

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