BT、世界規模の企業大学設立

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年4月

ブリティッシュ・テレコミュニケーションズ(BT)は新世紀に必要なビジネス技能やテクノロジー技能を備えた労働者を育成するため、世界規模の企業大学の設立に乗り出す。すでに約1600の企業大学が軌道に乗っている米国のライバル企業に対し競争力を維持していく。BT の計画は英国内の企業大学設立の動きに拍車をかけると見られる。設立の最終決定は1999年末になる見通し。

計画されているアカデミーは、オクスフォードやケンブリッジなどの伝統的な大学と同様に、各々が一つの分野に特化した複数のカレッジで構成される。学位や職業訓練課程を提供して従業員12万5000人の訓練にあたる。将来的には独立したキャンパスを建設することもにらみながら、当面はミルトン・ケインズ(ロンドンから北に約60キロ)およびスタッフォードシャーのストーン(イングランドのミッドランズ東部)にある BT の研修センターを利用する。

英国ではこれより先に、ブリティッシュ・エアロスペース(BAe)が1998年に4000人の従業員のために企業大学を設立したがBT の構想は10万人の学生を抱えるモトローラの大学など米国最大級の企業大学に肩を並べる規模だ。

同計画の担当者によれば、優秀な一流大学出身者は就職先の選択に際して高賃金だけでなく質の高い研修も重視しているとの調査結果があり、同アカデミーが BT の新卒者採用戦略に大きな役割を果たすことにもなるだろうと語っている。BT は英国屈指の新卒者の受け入れ先であり、毎年600人を採用している。

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