CFDTの反主流派組織トゥー・サンサンブルが解散を決定

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年4月

1996年以来、ノタCFDT書記長の方針に反対する組織と活動家を結集してきたトゥー・サンサンブルの支持者らが1月15、16日、パリ地区で非公開の会議を開き、組織の解散を決定した。彼らにとってこれは苦悩の決定ではあったが、CFDTリール大会の結果からは論理的な帰結となる。リール大会で、ノタ書記長は78%の得票率で再選されるとともに、執行部の過去3年間の評価を問われる活動報告書に対しても73%という高い支持を集めて自らの内部基盤を安定させた。

反主流派は1998年12月時点ですでに敗北を認めていた。以前から開催が決まっていた1月のセミナーは、大会から冷静に教訓を引き出し、未来に備えるものとなったものと思われる。オーベルニュ、バス・ノルマンディー、プロバンス=アルプニコート・ダジュールの各地域連盟や輸送・設備連盟など、トゥー・サンサンブルの中核を形成した組織の幹部の他、財務省、国民教育、職業紹介所(ANPE)、労働監督官などの組合のメンバーなど、計100人ほどがこのセミナーに出席した。

同セミナー出席者の3分の2は、1996年6月にクレルモン・フェランで組織が結成された際に支持された当初の戦略の失敗を認め、トゥー・サンサンブル解散に賛成票を投じた。当時重視されていた戦略はCFDTの方向を変え、大会で過半数を握ることにあった。しかし、結成から数カ月が過ぎるとこの組織は機能を果たせず、行き詰まった。トゥー・サンサンブルに参加する組合員はCFDTの中で分裂主義者のように見られることにもなった。今回のセミナー後に発表された共同コミュニケは「失敗は明らかだ」と認めている。

しかし、トゥー・サンサンブルの解散は、反主流派が転向し、執行部が訴える主張に加わることを意味しているわけではない。彼らは「リール大会は労働者や失業者にプラスとなるいかなる要求も出していない」と考えている。退職年金の逆行的改革、年金基金の創設、スト権の規制、公務の民営化など、採用された方針はリベラルな改革に呼応するものばかりだとしている。

トゥー・サンサンブルを去る各組織は、新たな状況で行動を続けるため、3月に再び集まる。反主流派にとって今後の大きな課題は、失望した活動家たちの離反を食い止めることにある。ANPE内では、CFDT(反主流派)が38%の得票率で首位を維持しているので、この課題に現実味はないが、教員労組(SGEN)、各貯蓄金庫、鉄道などの一部の組合で議論が始まっている。

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