1998年、組合員総数わずかに増加

※この記事は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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  • 国別労働トピック:1999年4月

1998年の労働組合の組合員総数がわずかに増加した。その反面、組織率はなお減少傾向にある。

労働統計局によれば、1998年の組合員総数は10万1000人増加し、1620万人であった。組合員が増加したのは、医療、サービス産業および公共部門、減少したのは製造業をはじめとするその他の民間部門であった。

労組幹部は、これらの数字のうち高い数字を強調し、巨額の費用を注ぎ込んだ新規組合員獲得のキャンペーンがやっと報われたと語っている。米国労働総同盟・産別会議(AFL-CIO)のジョン・スウィーニー会長は、労働運動が良い方向に向かっているとの声明を出した。

組織率については、1997年の14.1%から0.2ポイント低下し、1998年は13.9%になった。

経営者側は、これらの数字はスウィーニー会長にとって悪いニュースであると言い、「経済の拡大と実質賃金の上昇により、民間部門の労働者は元気づけられている。人々は、労働組合を必要と感じていない」と語った。

実際、組織率は、労組幹部にとって頭の痛い問題である。つまり1993年以来雇用の拡大により就業者が約1700万人増加しており、組合はその増加にあわせて新規組合員を獲得しなければならないという問題を示している。

多くの組合は、まさにこの問題に取り組んでいる。例えば、国際サービス従業員労(組(SEIU)などの活動的な労組は、新規組合員獲得に予算の30%以上を支出している。1998年、SEIUは6万人以上の新規組合員を獲得した。

AFL-CIO 組織化部長 Kirk Adams 氏は、「労働統計局の数字は全てを物語っていない。同局の調査では、協約締結または組合費納入の段階に至るまで、労働者を組合員とみなしていない。そのため、組合への加入を認めた労働者が昨年40万人以上いたにもかかわらず、その大半が統計に反映されていない」と述べた。

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