基礎情報:イタリア(2003年)

基礎データ

  • 国名:イタリア共和国(Republic of Italy)
  • 人口:5735万人(2002年)
  • 実質経済成長率:0.4%(2002年)
  • GDP: 1兆2584億ユーロ(2002年)
  • 労働力人口:2411万1000人(2003年10月)
  • 失業率:8.5%(2003年10月)
  • 日本の直接投資額:7件(2002年度)
  • 日本の直接投資件数:249億円(2002年度)
  • 在留法人数:8105人(2002年10月)

資料出所:外務省新しいウィンドウ内閣府新しいウィンドウ財務省新しいウィンドウイタリア国家統計局新しいウィンドウ

2003年度の主な動き

1.経済・雇用動向

イタリア経済は2002年、経済成長率が0.4%となり、前年(1.7%)より1ポイント以上減速した。03年に入ってもこの傾向は変わらず、第4四半期(10~12月)はゼロ成長を記録。ユーロ圏12カ国の03年の成長率が対前年比0.4%(速報値)と、99年の通貨統合以来最低の数字だったのと歩調を合わせる状態が続いている。

失業率は10月時点で8.5%(失業者204万1000人)であり、前年同月より0.4ポイント減少している。これに伴い、労働力人口は2411万1000人で対前年比5万5000人増、被用者総数も2207万1000人で15万7000人の増加となった。しかし、地域ごとで見ると、失業率は北部3.8%、中部6.1%なのに対し、南部では17.4%と非常に高く、特有の「南北格差」は依然として顕著である(雇用・失業データはいずれも季節調整済)。

なお、南部では「非正規就業」(公的機関に対して必要な届出を行っていない就業を示す。いわゆる「闇労働」)も問題になっている。南部産業発展協会(Svimez)の報告書によれば、01年現在で全労働者に占める非正規就業者が全国で15%に達したとされ、とくに南部は23%と、中北部の11.5%に比べ2倍となっている。

一方、ISTAT(イタリア国家統計局)が発表している大規模事業所労働指標(従業員500人以上が対象)を見ると、減少の傾向が出ている。03年12月時点のデータでは、トータルで対前年同月比0.8%の減。内訳は、サービス産業が0.7%とむしろ増加しているのに対し、製造業は2.9%の減少と、減少が激しい。

2. 労使関係等

ISTATが発表した、労使交渉で決定した協約上の時間当たり平均賃金水準(03年12月時点)は、00年12月を100とする指数で107.5となり、対前年同月比で2.7%増加している。また、同じ条件下の被用者一人当たり平均賃金水準は107.4となり、対前年比2.6%の上昇だった。

労使関係は、2002年に政労使が結んだ、経済の活性化と社会的公正の促進のための「イタリア協定」に組合員数の最も多いCGIL(伊労働総同盟)がサインしなかったことで、CSIL(伊労働者組合同盟)、UIL(伊労働組合)など他の組合との関係が不安定になったが、その状態は03年も続いている。たとえば、5月に結ばれた金属産業の労働協約(130万人対象)では、賃上げ(04年12月まで3回に渡って段階的に賃金を引き上げ、その合計は1月当たり平均90ユーロ)のほかに新しい職階制度の導入、労使協議体の設立などを含み、「イタリア協定」の理念を取り入れたが、CGILの金属部門であるFiom–CGILはこれにサインしていない。

一方、政府が示した年金改革案(04年夏までに決定するスケジュールとなっている)は、03年秋の時点で、08年以降、40年以上年金を納付しているか、65歳以上(女性は60歳以上)である者に年金受給資格を与えることを基本原則としていた(現行は57歳で35年以上の納付期間、あるいは年齢を問わず38年以上の納付期間が条件)。これに対し組合側は、支給開始年齢の引き上げなどの内容と、事前に組合など「ソーシャルパートナーとの対話」なしに改革案が出されたことに強く反発。10月24日に行われたゼネストでは、150万人の労働者がデモに参加した。同様のデモは12月6日にも実行され、前述の3大労組はこの点においては団結している。

3 .労働行政

イタリアでは、90年代以降、経済・社会改革が進められ、今世紀に入って、労働市場改革の流れが加速した。01年10月に政府は「労働市場白書」を出し、02年7月には前述の「イタリア協定」が結ばれる。その目的は、EUの現在の方針である「リスボン戦略」(00年3月策定)と基本的に同じであり、経済成長、競争力、就業の増加、社会的統合のすべてを調和させるため、経済の活性化と社会的公正を同時に促進させることである。

このような流れに沿って、労働市場改革法(いわゆる「ビアジ法」)が03年10月に施行された。同法は、EUの雇用戦略に沿って雇用率を高めることを目的とし、

  1. 職業紹介機能を民間が担うことを可能にする制度の構築
  2. 派遣労働や出向、請負労働などの仕組み(労働供給契約)の整備
  3. 若年層、長期失業者、高齢者、女性などを対象とする職業訓練・再訓練制度の整備

などを具体的に定めている。

04年2月のG7(7カ国財務大臣・中央銀行総裁会議)で採択された「成長のためのアジェンダ」に含まれる「進捗報告」では、イタリアの労働市場改革について「失業率のさらなる低下に貢献した」とするなど、経済界を中心に評価の声が出ている。


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※2002年以前は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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