基礎情報:中国(2000年)

※このページは、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

  • 国名: 中華人民共和国(中国、アジア)
  • 英文国名: People's Republic of China
  • 人口: 12億5909万人(1999年末現在)
  • 面積: 960万平方キロメートル
  • 人口密度: 131人/平方キロメートル
  • 首都名: 北京
  • 言語: 中国語(漢語)、56民族通用言語
  • 宗教: 仏教、道教、イスラム教、キリスト教
  • 政体: 社会主義、人民代表大会制度
  • 実質経済成長率: +7.1%(1999年)
  • 通貨単位: 人民幣(元) 1元=約14.1円(2001年1月)
  • GDP: 8兆2054億元(1999年)
  • 1人当たりGDP: 800ドル(1999年)
  • 消費者物価上昇率: △1.4%(1999年)
  • 主要産業: 農業、牧畜業、漁業、工業、建築業、交通輸送
  • 対日主要輸入品目: 鉄鋼、プラスチック、原動機、有機化合物、合成繊維織物、集積回路など
  • 対日輸入額: 233.4億ドル(1999年)201.0億ドル(1998年)217.8億ドル(1997年)
  • 対日主要輸出品目: 衣類・同付属品、魚介類、音響・映像機器、野菜、事務用機器など
  • 対日輸出額: 428.8億ドル(1999年)368.9億ドル(1998年)420.4億ドル(1997年)
  • 日本の直接投資: 838億円(1999年)1363億円(1998年)
  • 日本の投資件数: 76件(1999年)112件(1998年)
  • 在留邦人数: 2万517人(1999年10月)(香港、マカオを除く)

出所:

  1. 『中国統計年鑑』1999年
  2. 日本:大蔵省(財政金融月報、外国貿易概況)、外務省(海外在留邦人数調査統計)

1998年末現在、労働力人口は8億5684万人、そのうち都市部労働力人口は2億8592万人、農村労働力人口は5億7092万人、経済活動人口は7億1407万人であった。全国従業者数は6億9957万人で、前年より357万人増加し、増加率は0.5%であった。そのうち、都市部従業者は2億678万人で、前年より471万人増加し、増加率は2.3%であった。農村従業者は4億9279万人で、前年より114万人減少し、増加率は-0.2%であった。都市部従業者のうち、国有、集団およびその他の経済単位の従業者はそれぞれ9058.1万人、1963.2万人と1674.5万人で、その増加率はそれぞれ-10.4%、-19.4%、59.4%であった。都市部の私営、個人経営従業者は3231.9万人で、増加率は21.1%であった。

都市部労働者数は1億2337万人で、そのうち国有経済単位と都市部集団経済単位はそれぞれ8809万人と1900万人で、それぞれ前年より1967万人と917万人減少した。その他の諸経済単位の労働者数は1628万人で、前年より543万人増加した。

都市部登録失業者は571万人で、都市部登録失業率は3.1%、前年と同じであった。国有企業の下崗労働者は610万人であった(出所:『中国労働統計年鑑』1999年)。

1999年上半期現在、労働市場では、都市部諸単位の従業員がひきつづき減少し、各業種の従業員には増加もあれば減少もあるが、減少が多く増加が少なかったことが基本的な特徴となっていた。国家機関単位の在職労働者の減少は、最近現れた変化である。

都市部諸単位の従業員がひきつづき減少している。1999年第2四半期末現在、従業者総数は7億80万人で、1998年末より123万人増加した。そのうち、都市部従業者は2億547万人で、前年末より131万人減少した。都市部諸単位の従業員は1億2458.4万人で、前年末より237.3万人減少した。そのうち、国有単位の従業員は8913.4万人で、前年末より144.8万人減少し、集団単位の従業員は1893.5万人で、前年末より69.7万人減少し、その他の経済単位の従業員は1651.6万人で、前年末より229万人減少した。

前年同期と比べると、国有単位は888.1万人減少し、集団単位は403.1万人減少し、その他の経済単位は598.6万人増加した。

国有単位と集団単位は従業員がひきつづき減少し、その他の単位は従業員がひきつづき増加した。こうした趨勢は、中国の経済体制改革、なかでも国有企業改革の効果を反映している。企業制度確立の実験が広がるにつれて、大中規模国有企業がますます株式制企業に変わり、小規模国有企業と都市部集団企業がリース・請負・併合・競売などの形で私営または郷鎮企業に変わり、国有と集団経済単位の就業量がたえず減少し、その他の混合所有制経済と私営経済の就業量がたえず増加している。

諸業種の従業者は増加もあれば減少もある。1999年第2四半期末現在、国民経済16業種のなかでは、14業種は従業者が前年末より減少した。そのうち、製造業、卸売・小売・貿易・飲食業、建築業は減少幅が比較的大きく、それぞれ180.1万人、42.8万人、26.7万人減少し、減少総数の74.8%を占めた。電力・ガス・水道供給業及び衛生・体育・社会福祉はそれぞれ0.6万人と0.8万人しか増加しなかった。

国家機関単位在職労働者が減少している。1999年第2四半期末現在、事業と機関単位は在職労者がそれぞれ2537万人と1036万人で、前年同期よりそれぞれ11.3万人と0.6万人減少し、減少幅はそれぞれ29.3%と12%であった。企業で人員削減効率向上が行われ、とくに中央段階の国家機構では改革と人員削減は効果が見られはじめているといわれている。(「1999年上半期労働就業状況」、1999年11期『中国労働科学』参照)

1.賃金制度の概要

改革・開放が始まってから、中国企業の賃金制度はおおよそつぎの4つの段階を経てきた。

  1. 1978~84年の段階では、理論の上から労働に応じた分配原則を新たに確立し、出来高払賃金と奨励制度が復活した。
  2. 1985~87年の段階では、企業、国家機関、事業単位に賃金改革と賃金調整を単独に行わせる原則を確立し、企業の賃金総額を経済効率と連動させる方法を試行しはじめ、それまでの企業賃金基準を簡素化し統合した。
  3. 1988~92年の段階では、全国的に労働・効率連動の企業賃金を実行し、企業賃金の段階別管理体制を探索し、職場技能賃金をはじめとする企業の基本賃金制度改革の展開を指導し、企業内部の賃金分配自主権をさらに拡大した。
  4. 1993年以後の段階では、国務院が1992年7月23日に発布した『全民所有制工業企業経営メカニズム転換条例』の要請に基づいて、指令性労働賃金計画指標を廃止し、動態コントロール・弾性賃金計画を実行し、賃金の段階別、類別管理体制を一層健全なものにした。

上に述べた改革のもとでは、企業の賃金総額は国のコントロール下で主として企業の経済効率によって決定され、自主分配が企業内部で行われる企業の賃金制度が形成された。企業賃金のマクロ・コントロールの面では、動態コントロール・弾性賃金計画を全面的に採用し、各地区の生産総額(農業を含まず)、労働生産性の伸び率などに基づいて地区所属企業の賃金総量を確定する。この範囲内では、企業・業種(部門)の賃金総量に対してつぎの3つの方法でコントロールする。

  1. 労働・効率連動。
  2. 賃金総額請負。
  3. 企業賃金増加率が国内生産総額伸び率・労働生産性伸び率より低い前提のもとで、企業が自主的に賃金総額を確定する。

以上のうち、労働・効率連動を主要形式とする。企業内部の賃金制度については「職場技能賃金制」を主とする多形式による内部分配制度を実行する。

現在、つぎの企業賃金制度の諸パターンが模索されている。

  1. マクロ・コントロール面から見ると、賃金ガイドラインが逐次に弾性賃金計画に変わり、これによって企業の賃金水準と賃金増加の速度を調整する。
  2. 企業の労働コスト体系をつくり、企業の労働コストに対する調査をしたうえ、定期的に業種の労働コスト水準を社会に報告し、諸企業の賃金決定を指導する。
  3. 企業内部では、団体協議による賃金決定制度を試行する。
  4. 競争性の強い企業では、労働・効率連動を逐次的に団体協議に移行させ、まず外国投資企業で実験を行う。
  5. 条件のそなわっている国有企業では、企業経営者の年俸制を積極的に押し進め、経営者の賃金収入を一般労働者の賃金収入から切りはなし、企業の経営困難、経営リスク、経営実績と連動させる

中国企業の賃金制度改革の目標は、労働に応じた分配を主とする「市場メカニズムによる決定、企業による自主分配、政府によるマクロ・コントロール」の企業賃金分配体制をつくることにある。

2.最低賃金

1993年、労働部が『最低賃金保障制度に関する規定』を発布し、最低賃金制度が全国で実施されはじめた。同規定によると、最低賃金制度は中華人民共和国国境内にある諸企業およびそこで報酬を受領する労働者に適用される。1994年4月5日、『中華人民共和国労働法』が発布、実施され、『労働法』は最低賃金制度についてつぎの諸規定をしている。第48条では「国は最低賃金保障制度を実行する。最低賃金の具体的な基準は、省、自治区、直轄市の人民政府が制定し、国務院に報告して記録にとどめるものとする。労働者使用単位が労働者に支給する賃金は、当地の最低賃金基準を下回ってはならない」と規定している。第49条は最低賃金の基準確定についてつぎの規定をしている。最低賃金の基準を確定し、調整する場合は、つぎの諸要素を総合的に参照すべきである。

  1. 労働者本人および平均扶養人口の最低生活費用。
  2. 社会平均賃金水準。
  3. 労働生産性。
  4. 就業状況。
  5. 地区間経済発展水準の差異。

『労働法』実施後、全国で29の省、自治区、直轄市が最低賃金規定を制定し、最低賃金基準を公布し、最低賃金保障制度を設定し、実施しはじめた。具体的な基準は別表のとおりである。

表:各地の最低賃金基準 (1997年8月末現在)
地区 基準(元/月額)
北京 290
天津 290
河北 290、180、160
山西 230、200、170、140
内蒙古 180、160、140
遼寧 240、210、180
吉林 245、220、195
黒龍江 230、210、190、170、160
上海 315
江蘇 260、250、210、175
浙江 270、250、230
安徽 220、180 (上下10%変動)
福建 360、260、240、215、190
江西 220、200、180、160
山東 240、220、200、180、160
河南 240、220、200、200、180、160
湖北 200、180、160、140
湖南 220、205、190、175
広東 380、350、320、280、250、235、220
広西 200、190、180、170
海南 300、250、200
四川 210、190、165、145
貴州 200、180、160、140
雲南 230~270
チベット まだ基準を発布してない
陜西 200、175、150、125
甘粛 180、160、140
青梅 200、190、180、170
寧夏 180、160、140
新彊 245、240、215、210、200、190、180、170、160

3. 平均賃金と賃金上昇率

1998年末現在、全国の労働者賃金総額は9296.5億元で、前年より1.16%低下した。そのうち、国有経済単位労働者の賃金総額は6812.5億元で、5.53%低下し、集団経済単位労働者の賃金総額は1021.6億元で、18.49%低下し、その他の経済単位労働者の賃金総額は1462.4億元、55.44%増加した。年間都市部労働者の平均賃金は7479元で、前年より15.59%増加した。そのうち、国有経済単位労働者の平均賃金は7668元で、13.65%伸び、集団経済単位労働者の平均賃金は5331元で、18.15%伸び、その他の経済単位労働者の平均賃金は8972元で、2.08%伸びた(1999年版『中国労働統計年鑑』)。

1999年1月から6月までの間、都市部諸単位の在職労働者の平均賃金は3603元で、前年同期より6.8%伸び、第1四半期の伸び率より0.4%低下し、物価要素を差し引くと、実質8.8%伸びた。そのうち、国有経済単位在職労働者の平均賃金は3684元で、前年同期より5.8%伸び、集団経済単位在職労働者の平均賃金は2520元で、前年同期より5.1%伸び、その他の経済単位在職労働者の平均賃金は4417元で、前年同期より2.8%低下した。物価要素を差し引くと、実質伸び率はそれぞれ7.7%、7.1%、-1.0%であった。その他の経済単位在職労働者の平均賃金水準が下がったのは、主として2年このかた企業の所有制転換のテンポがわりあいに速く、所有制転換が行われた企業の平均賃金が元の企業の平均賃金より低いからである。

地区別に見ると、約半分の地区の在職労働者の平均賃金の伸びは全国の平均水準より高い。そのうち上海(7338元)、北京(6263元)、天津(4932元)は、その平均伸び率がいずれも10%を上回った。伸び率の低い地区は雲南(3551元)、甘粛(2994元)、広西(2920元)で、前年同期よりの平均伸び率はそれぞれ0.7%、1%、2.2%しかなかった。河南省の場合、在職労働者の平均賃金は前年同期より1.7%下がった(「1999年上半期労働就業状況」、1999年11期『中国労働科学』参照)。

1. 労働時間に関する法律

1994年2月7日、国務院は『労働者の労働時間に関する国務院の規定』を発布した。同『規定』の中心的な内容は「国が1日8時間労働・週平均44時間労働の労働時間制度を実行する」ことである。『規定』は、中国に成文化した労働時間法規がない歴史に終わりをつげ、労働者に休息権の保障を確実に獲得させた。それは、新中国成立後全国に適用する最初の労働時間制度の規定でもある。

1994年7月5日に発布された『中華人民共和国労働法』は労働時間制について再度明確に規定 している。その第4章「労働時間と休息休暇」の第36条では「国は、労働者の労働時間が毎日8時間を超さず、毎週44時間を超さない労働時間制度を実行する」と規定されている。『労働法』は1日の労働時間を規定すると同時に、週の労働時間が44時間を超さないよう明確に規定している。つまり、週の平均労働日は5日半を超してはならない。

1995年3月25日、国務院は『労働者の労働時間に関する国務院の規定の改訂に関する国務院の決定』を発布した。同『決定』は1995年5月1日から1日8時間労働、週40時間労働の新しい労働時間制度を実行すると規定し、1995年5月1日からの施行に困難のある企業は延期できるが、遅くとも1997年5月1日から実施すべきであるとしている。1997年4月24日、労働部は『企業における新しい労働時間制度の全面的実施の促進に関する労働部の通知』を発布し、企業が1997年5月1日から1日8時間、週40時間の新しい労働時間制度を実行するよう通知した。

2.企業の労働時間

現在、国の関係諸法規の規定により、企業の労働時間は1日8時間、週40時間、すなわち週5日労働制となっている。労働者使用単位は、労働者の週休最低1日を保証する。同時に『労働法』の規定により、企業はその生産の特殊事情に基づいて「その他の労働、休息形式を採用する」こともできる。たとえば、不定時労働時間制の採用はそれである。不定時労働時間は、職責範囲が固定した労働時間数の制限を受けない労働者に対して採用する労働時間制度を指す。これに対し『労働法』第37条は「出来高労働に従事する労働者に対しては、労働者使用単位は本法第36条の規定による労働時間制度に基づいてその労働ノルマと出来高報酬基準を合理的に確定すべきである」と規定している。

企業は、生産の必要に基づいて労働時間を延長することもできる。つまり、労働者に時間外労働をさせることができる。労働時間の延長については『労働法』では明確に規定されている。

  1. 第41条は「労働者使用単位は、生産経営の必要に基づき、労働組合および労働者と協議したうえ、労働時間を延長することができる。通常、1日1時間を超えてはならないが、特別な理由で労働時間の延長が必要な場合は、労働者の健康保障を条件に1日3時間まで延長できる。ただし、月36時間を超えてはならない」と規定している。
  2. 第42条は「つぎの諸事情の1つに該当する場合、労働時間の延長は、本法第41条の規定による制限を受けない」と規定している。
    • 自然災害、事故の発生またはその他の原因で、労働者の生命健康および財産の安全が脅かされ、緊急措置が必要となった場合。
    • 生産設備、交通輸送線路、公共施設の故障で生産と公共利益に影響がおよぼされ、即時に応急修理をしなければならない場合。
    • 法律、行政法規に規定されるその他の事情。
上に述べた事情で労働時間の延長をする場合は、つぎの基準に基づいて労働者の正常の時間給を上回る資金報酬を支給すべきである。
  1. 労働時間を延長する場合は、労働者に賃金の150%を下回らない報酬を支給する。
  2. 休日に労働者を出勤させ、代替休暇を与えない場合は、賃金の200%を下回らない報酬を支給する。
  3. 法定休日に労働者を出勤させる場合は、賃金の300%を下回らない報酬を支給する。

3. 企業の休暇制度(有給・無給)

企業労働者の休暇制度は国の関係規定に基づいて執行する。

法定祭日。『労働法』第40条は「つぎの祭日期間に法律によって労働者に休日を与えるべきである。(1)元旦、(2)春節、(3)メーデー、(4)国慶節、(5)法律・法規に規定されるその他の法定休暇、祭日」と規定している。日数は、元旦1日、春節3日、メーデー1日、国慶節2日となっている。祭日の場合は、企業が法律に基づき賃金を支給する。

年間休暇。これは労働者の毎年一度連続有給休暇の享受を指す。年間休暇の日数は勤続によって決まる。『労働法』第45条は「国は年間有給休暇制度を実施する。労働者は勤続1年以上に達した場合、年間有給休暇を享受する。具体的な規則は、国務院が規定する」としている。

結婚、葬儀休暇。労働者本人の結婚または労働者の直系親族(父母、配偶者、子女)死亡の場合は、1日ないし3日の結婚・葬儀休暇をとることができる。結婚の場合、双方が同じ場所にいない場合、他の地方にいる直系親族が死亡し、本人がそこへ行って葬儀を処理する必要がある場合は、道のりの遠近によって道のり休暇を別に与える。

出産休暇。女性労働者の出産休暇は90日間で、そのうち産前休暇は15日間である。難産の場合は、出産休暇を15日間増やす。多胎児出産の場合は、2人目以降の嬰児1人につき、出産休暇を15日間増やす。

帰省休暇。労働者が他の地方で働く場合、未婚者は毎年20日間の有給休暇をとって両親を訪問することができ、既婚者は毎年30日間の有給休暇をとって配偶者を訪問することができる。配偶者双方が他の地方で働く場合は、4年ごとに1回20日間の有給休暇をとって両親を訪問することができる。

1. 労働関係概況

過去15年間、中国は対外開放、経済発展、改革の深化に伴って、公有制を主体とする諸経済形式と諸経営方式をつくりあげ、単一の国営集団の労働関係を改めた。新しい労働関係は以前より複雑なものになった。

1978年に始まった経済改革前の計画経済体制のもとでは、企業の労働関係は単なる国と労働者の関係であった。企業には労働者使用の自主権がなく、労働者には職業選択の自主権がなかった。国は労働関係主体として、労働者を支配する役割を果たしてきた。企業は国が下した指令、計画を執行し、労働者は国の統一配置に服従しなければならなかった。労働関係の変更と解除の面では、企業は普通労働者を解雇してはならず、労働者個人のポストの変動はしばしば組織による調整、配置の結果であった。

改革開放ののち、中国では一連の労働制度の改革が行われたが、中国の労働関係は安定した良好な発展をとげた。政府による積極的な促進策のもとで、政策基準、労働契約管理、労働監察、労働争議処理を含む労働関係の調整体系が一応形成された。

労働制度の改革を通じて、企業の労働者使用自主権と労働者の職業選択自主権は次第に解決の方向に向かった。企業と労働者は新しい労働関係の主体となり、対等の立場にあるとされている。企業と労働者は、労働契約の締結で相互の労働関係を確定し、双方の責任、権利、利益を明確にし、かつこれを労働争議処理の根拠とし、双方の合法的権益に法律の保護を与えている。労働契約制度の実行により、企業と労働者は協議のうえにたって互いに選択しあうことができる。企業は必要性と市場の需給変化に応じて労働力構成の調節を行い、労働力の配置を合理的に行うことができる。他方労働者は、自身の条件と意思に照らして、適当な職業を選択することができる。締結される労働契約は、法律上の拘束力をもつ。したがって、労働契約は平等に企業と労働者を法律により保護している。双方は労働契約に基づいて自己の職責を履行すると同時に、労働契約の諸条項の規定による権利を享受する。現在、労働契約制度は、中国の諸企業があらゆる労働関係を確立する主要形式となっている。

労働契約制度を実行すると同時に、団体契約制度の実験が行われはじめている。一部の地方、一部の非国有企業と株式制企業は、団体協議で団体契約を締結し、団体契約で労働報酬、労働時間、休息休暇、労働安全衛生、保険福祉などを規定する試みをしている。

労働監察活動の展開は労働法律・法規の実施を効果的に保障している。労働監察機構の設置、要員の配置、制度の創設および活動の展開はいずれも基礎ができている。労働争議処理制度は改善され、労働関係の合法的権益は法律により保護されている。各地には、労働争議仲裁委員会が設置され、政府の労働行政部門、労働組合と企業の主管部門の3者からなる労働争議処理システムが形成されている。同時に、各地の労働行政部門はまた労働争議処理専門機構を設置し、専従と兼職の要員を配置し、労働争議仲裁委員会の事務機構の職能をひきうけるほか、労働争議に対する調整活動をくりひろげる。国有企業では、企業労働争議調整委員会が設置され、企業と労働者の協議による労働争議処理体制が形成されている。

現在、労働関係と監察制度はたえず改善されているが、その最終目標は、調和のとれた労働関係を促進し、社会安定を実現するため、労働関係調整の法律、政策体系、労働監察体系と労働争議の処理体系をつくり、社会主義市場経済の要求にかなった主体(企業と労働者)自らの協議と政府の調整による労働関係調整制度を全面的に推し進めることにある。

1998年末現在、全国の都市部企業では、労働契約制の実行に加わった労働者は1億700万人に達し、労働者総数の98%を占めている。農村部の集団企業では労働契約制の実行に加わった従業員は2300.5万人に達し、私営企業と個人経営商工業では労働契約制の実行に加わった従業員は半数以上に達している。

1998年末現在、年間協議で団体契約を締結し、かつ労働社会保障部門に報告してその記録にとどめた企業は15万件に達し、それにかかわる労働者は5000万人余に及んだ(労働社会保障部編『中国の労働関係』参照)。

2. 労働組合

労働組合主要組織

中国の労働組合の全国組織は中華全国総工会である。

1992年4月3日に発布された『中華人民共和国労働組合法』は、労働組合は労働者が自由意思で結合する労働者階級の大衆組織であると規定している。

労働組合の各段階の組織は、民主集中制の原則に基づいてつくられる。各段階の労働組合委員会は労働組合員大会または労働組合員代表大会における民主選挙によって生まれる。各段階の労働組合委員会は同じ段階の組合員大会または組合員代表大会に責任を負い、かつ活動を報告し、その監督を受ける。労働組合員大会または労働組合員代表大会はかれらが選出した代表または労働組合委員会のメンバーをリコールし、または罷免する権限を有する。上級労働組合組織は下級労働組合組織を指導する。

企業、事業単位、機関は、組合員が25人以上に達した場合、労働組合末端委員会をつくることができる。組合員が25人未満の場合は、オルガナイザーを1人選出して、組合員の活動を組織させる。県段階以上の地方は、地方総工会をつくる。同一業種または性質の近いいくつかの業種は必要に応じて全国または地方産業労働組合をつくることができる。

労働組合の末端組織、地方各段階の総工会、全国または地方産業労働組合組織の創設は、一段階上の労働組合に報告し、その批准を得なければならない。労働組合末端組織が属する企業、事業単位、機関がなくなった場合、当該組合組織もなくなる。

現在、改革にともなって労働組合は民主管理、参加、労働法執行の監督、労働争議処理への関与などで主要な役割を果している。

労働組合末端組織

1998年末現在、全国で50万3532の労働組合末端組織がつくられている。そのうち、国有単位の労働組合末端組織は37万4930組織、集団単位7万6222組織、私営企業6944組織、その他の単位1966組織、共同経営単位1215組織、株式合作単位9861組織、有限責任公司1万2037組織、株式有限公司7540組織、外国投資企業6573組織、香港・澳門・台湾投資企業6244組織となっている。

1998年末現在、労働組合の組合員総数は8913万4262人となっている(『中国労働統計年鑑』1999年版)。

3. 労働争議件数と参加人数

1998年末、全国労働争議調停委員会が受理した労働争議は9万3649件で、それにかかわる労働者は35万8531人であった。このうち、団体労働争議は6767件、それにかかわる労働者は5万1268人、使用者単位の上訴案件4446件、労働者の上訴案件8万4829件であった。解決案件は9万2288件で、そのうち調停は3万1483件、仲裁裁決は2万5389件、その他による解決は3万5155件であった。労働争議調停委員会が受理した労働争議のうち、労働報酬、保険福祉、労働契約の解除、労働保護、労働契約の終了などによる争議が主となっている(1999年版『中国労働統計年鑑』参照)。

4. 労働関係の法制度

改革開放が始まってから、政府は労働者使用単位と労働者双方の労働関係の規範化を図るため、一連の法律、法規を制定・発布し、労働関係を発展させた。労働関係の調整にはつぎの諸法規がある。

  • 『中華人民共和国労働組合法』1992年4月3日国家主席令第57号で発布。
  • 『中華人民共和国企業争議処理条例』1993年7月6日国務院発布。
  • 『労働争議仲裁委員会案計処理規則』1993年10月18日労働部発布。
  • 『労働争議仲裁委員会組織規則』1993年11月5日労働部発布。
  • 『中華人民共和国労働法』1994年7月5日第8期全国人民代表大会常務委員会第8回会議採択、国家主席令第28号で発布。
  • 『外国投資企業労働管理規定』1994年8月1日労働部発布。
  • 『企業経済性人員削減規定』1994年11月14日労働部発布。
  • 『労働監察員管理規定』1994年11月14日労働部発布。
  • 『労働契約違反・解除の経済補償規定』1994年12月3日労働部発布。
  • 『団体契約規定』1994年12月5日労働部発布。
  • 『団体協議による団体契約締結の実験活動に関する労働部の意見』1994年12月5日労働部発布。
  • 『労働契約鑑定活動の関係問題に関する労働部の通知』1994年12月15日労働部発布。
  • 『『中華人民共和国労働法』違反行政処罰規定』1994年12月16日労働部発布。
  • 『労働仲裁員招聘任命管理規定』1995年3月22日労働部発布。
  • 『平等協議と団体契約締結への労働組合参加の試行規定』1995年8月17日全国総工会発布。
  • 『団体協議と団体契約制度の逐次実行に関する労働部、全国総工会、国家経済貿易委員会、中国企業家協会の通知』1996年5月17日労働部発布。
  • 『郷鎮企業の労働契約制度の実施に関する農業部、労働部の通知』1996年6月7日農業部発布。

1. 労働政策の概況

国有企業の職場離脱労働者の再就業と生活保障問題は中国労働活動分野および中国経済体制転換と国有企業制度転換過程における中心問題となっている。それは政府の最優先事項であり、労働・社会保障部の重要な任務でもある。

職場離脱労働者に対する1999年の労働政策の主要内容は次の通りである。

  1. 職場離脱労働者の基本生活を確保する。企業、社会、財政の三者がそれぞれ職場離脱労働者の基本生活費の3分の1をうけもつ方式の実行を堅持し、職場離脱労働者に対する生活費の全額支給を保証する。
  2. 職場離脱労働者の再就業を積極的に促進する。企業の再就業サービス・センターの運営を確実に行い、職業訓練と職業指導を目的意識的にくりひろげ、職場離脱労働者の就業観念転換を指導し、職場離脱労働者の再就業能力を向上させ、労働者の再就業の早期実現を援助する。労働市場の建設と職業訓練資金の投入に力をそそぎ、労働市場の科学化、規範化と現代化を推し進め、職場離脱労働者に迅速で便宜な再就業サービスを提供する。職場離脱労働者に対して税制と少額貸し付けなどの特恵政策を実行し、より多くの職場離脱労働者が自らまたは組織しあって就業するよう奨励し、支持する。
  3. 以下の「3本の保障ライン」制度をさらに完備させる。職場離脱労働者が企業の再就業サービス・センターを通じて基本生活を保障されるのは、最長3年となっている。3年間の在留が満了して、依然就業できない場合は規定によって失業保険金を受給するが、最長期間は2年となっている。失業保険金を2年間受給してから依然就業できない場合は規定によって都市居住民最低生活保険給付を受給する。

1999年におけるもう一つの重要な労働行政政策は全国にわたって労働予備制度を実行することである。労働予備制度は、労働者の技能を向上させ、経済発展と科学技術発展に寄与するものである。当該制度の主要内容は次の通りとなっている。

  1. 1999年から、全国の都市部で労働予備制度を推進し、新規労働とその他の求職者に、就業までに1~3年間の職業訓練と職業教育を受けさせ、それ相応の職業資格を取得させ、または一定の職業技能を修得させてから、国の政策指導と援助のもとで、労働市場を通じて就業させる。
  2. 就業コントロールを厳格に実行する。労働予備者は訓練または学習が満了し、それ相応の証書を取得してから、はじめて就業することができる。一般の職業に従事する者はそれ相応の職業学校の卒業証書または職業訓練合格証書を取得しなければならない。特殊な職業に従事する者は上述の証書のほか、それ相応の職業資格証書を取得しなければならない。労働予備制度による訓練・教育を受けなかった者、または訓練・教育を受けたがそれ相応の資格証書を取得しなかった者に対しては、職業紹介所は職業の紹介をしてはならず、使用者は募集・採用をしてはならない。

2. 労働関連行政機関

名称な労働社会保障部(省)。同部には12の庁、司(局)が設置されている。

住所:中国北京市和平里中街12号

電話番号:84203431

労働社会保障部

  • 弁公庁(官房庁)
  • 法制司
  • 規画財務司
  • 塔訓和就業司(訓練就業司)
  • 労働工資司(労働賃金司)
  • 善孝保険司
  • 失業保険司
  • 医療保険司
  • 農村社会保険司
  • 社会保険監督司
  • 国際合作司
  • 人事教育司

労働法律体系を順次整備し、労働を法制化の軌道にのせることは,中国の既定目標である。改革開放後、労働立法活動の進展は速く、顕著な成果がおさめられている。全国人民代表大会が審議、発布した労働法および国務院が審議、発布した労働法規は40余にのぼり、労働部が発布した労働の規定は200余にのぼり、労働分野の各方面にかかわっている。これらの労働法規と規定は、労働を規制し、企業と労働者の合法的権益を保護し、労働行政機関の法律による行政を促進するうえで主要な役割を果たしている。

労働立法分野では、『労働法』および関連諸法規が発布・実施された。改革開放後、労働立法分野における重要な成果は『中華人民共和国労働法』の発布、実施である。『労働法』は、労働者の権利と義務および労働者使用単位の責任を確定し、労働者使用単位と労働者の行為規範であるとともに、労働権利保護の法律保障と労働義務履行の基準でもある。『労働法』は13章107条からなり、労働者の権利と義務、労働関係の締結と調整、労働基準の確定と執行、労働行政部門の職責と規範などについて規定している。

  • 『労働法』の発布、実施後、関連する諸法規が制定されている。つぎの諸法規がすでに発布、実施されている。
  • 『企業最低賃金規定』1993年11月24日労働部発布。
  • 『労働者労働時間の規定に関する国務院の実施規定』1994年2月8日労働部・人事部発布。
  • 『職業指導規定』1994年10月27日労働部発布。
  • 『賃金支給暫定規定』1994年12月6日労働部発布。
  • 『団体契約規定』1994年12月5日労働部発布。
  • 『就業訓練規定』1994年12月9日労働部発布。
  • 『未成年労働者特殊保護規定』1994年12月9日労働部発布。
  • 『企業労働者生育保険試行規定』1994年12月14日労働部発布。
  • 『企業労働者労働災害保険試行規定』1996年8月12日労働部発布。
  • 『企業労働者教育訓練規定』1996年10月30日労働部発布。
  • 『外国投資企業賃金収入管理暫定規定』1997年2月14日労働部発布。
  • 『生育保険適用範囲計画』1997年10月8日労働部発布。
  • 『職業紹介サービス規定(試行)』1998年1月6日労働部発布。
  • 『都市部労働者の基本医療保険制度の設立に関する国務院の決定』1998年12月14日国務院発布。
  • 『失業保険条例』1999年1月22日中華人民共和国国務院令第258号。
  • 『社会保険料徴収暫定条例』1999年1月22日中華人民共和国国務院令第259号。

1. 労働災害の概況

1997年、全国で企業労働者の業務上労災事故が1万8268件発生し、死亡者1万7558人に達したが、96年同期よりそれぞれ12.5%と9.8%下回った。労災事故が最も多いのは鉱山企業であり、1997年に企業労働者の業務上労災事故が合計7266件発生し、死亡者は1万1265人に達したが、96年と比較してそれぞれ14.9%と7.7%下回った。非鉱山企業では1997年に労働者の業務上労災事故が合計1万1002件発生し、死亡者6293人、96年と比較してそれぞれ10.9%と1.8%下回った。

一方、重大死亡事故は1997年に合計696件発生し、死亡者は4929人に達したが、それぞれ96年より15.6%と1.8%下回った。そのうち、鉱山企業では重大な死亡事故が合計527件発生し、死亡者4009人に達したが、96年と比べそれぞれ16.8%と0.8%下回っている。非鉱山企業では重大な死亡事故が1997年に合計169件発生し、死亡者920人、96年と比較しそれぞれ12%と5.8%下回った。

2. 労働災害補償制度の概要

1996年8月12日、労働部は『企業労働者労働災害保険試行規定』を発布した。この『規定』は初めて労災保険を単独の制度として制定、実施し、かつ初めて3項目の労災保険、すなわち労災予防、労災リハビリ、労災補償を結びつけ、1990年代初期までの労災保険制度(企業の自己労災保険制度)を全面的に改革した。

同『規定』は労災認定基準と手続き、労災保険基金の調達、労災予防と労災リハビリテーション、管理と監督監察、企業と労働者の責任、苦情処理などを規定している。

中国の労災保険制度は制定したばかりの新しい制度で、労災の予防、リハビリテーション、その他に改善の余地がある。

1. 生育保険

生育保険は1994年『企業労働者生育保険試行規定』に基づいてつくられたものである。生育保険は都市企業およびその労働者に適用される。生育保険は「収入で支給を決め、基本的に収支にバランスを保たせる」原則に基づいて資金の調達を行う。具体的には、企業に労働者賃金総額に対する一定の比率で社会保険機構に生育保険料を納付させて生育保険基金とする。納付比率は最高賃金総額の1%を超えてはならない。労働者個人は生育保険料を納付しない。女子労働者が出産した場合は、法律、法規によって出産休暇を享受する。出産休暇期間中の生育手当は、当該労働者が働く企業の前年度の労働者平均賃金で計算し、生育保険基金から支給される。女子労働者が出産する場合、検査費、助産費、手術費、入院費および薬代は生育保険基金から支給される。

2. 教育訓練制度の概要

改革開放ののち、労働者の職業技術開発制度が設立された。現在、職業分類、職業技能基準、職業技能訓練、職業技能鑑定と技能競争を主要内容とする職業技能開発訓練体系がある。

労働者職業技能開発訓練の基本原則はつぎのとおりである。すなわち「教育訓練を受けてから職につき、教育訓練を受けてから職場につく」原則に基づいて、就職または職場転換の際、必要な訓練を受けなければならないことを労働者に要求する。国は「教育訓練、考課と賃金分配を結合する」原則により、諸訓練機構が教育訓練した合格者に卒業証と職業資格証の2証書を発行し、企業と事業単位は労働者の労働・生産活動の実績と実際の技能水準によってその賃金待遇を確定し、同時に国が発布した『労働者考課条例』に基づいて、労働者に対して初・中・高3級の技術等級と技師・高級技師の任命を実行する。

中国の職業技能訓練機構は主として技工学校、就業訓練センター、職業中学校である。職業技能訓練と職業技能の向上を推進するため、労働部は『国家各種分類目録』を制定し、若干の職種に関する国家または業種の職業技能基準を発布し、かつ『職業技能鑑定規定』を発布、職業技能鑑定機構に対してライセンス制度を設け、職業技能鑑定の社会的管理を実施している。職業技能開発訓練について、政府はつぎの基本目標を提起している。

  1. 全社会の労働者職業開発情報・ネットワークの形成。
  2. 国の職業分析、職業資格分類、職業技能基準体系の形成。
  3. 政府指導による職業技能鑑定の社会的管理を行い、国の職業資格証書制度を設ける。
  4. 都市と郷鎮企業をカバーし、かつ農村まで延長し得る職業技能訓練ネットワークを形成する。

3. 善孝保険(養老年金)

1997年7月、国務院は『企業労働者の基本善孝保険制度の統一に関する決定』を発布し、1999年1月、国務院はまた『社会保険料徴収条例』を発布、中国企業労働者の善孝保険制度の基本的な枠組を確立した。都市部企業労働者の基本善孝保険制度は都市部諸企業労働者と個人経営労働者をカバーする。1999年6月現在、善孝保険制度に加入した労働者は9120万人に達した。善孝保険料は企業と労働者が共同で負担する。企業が納付する保険料の比率は労働者の賃金総額の20%を超えないものとする。1998年、企業が納付した保険料の比率は全国平均で20.64%であった。労働者は本人の賃金の一定の比率で納付する。1998年、労働者個人の納付率は全国平均で3.9%であった。

4. 失業保険

1986年、労働契約制度の実施に合わせて、国務院は『国営企業労働者待業保険暫定条例』を発布し、失業保険制度を設立した。1993年この制度に対する修正と補充を行った。1999年1月22日、国務院は『失業保険条例』を発布し、制度を拡充した。失業保険は、国有企業、集団企業、私営企業およびその他の都市部企業を含む都市部企業と都市部事業単位の労働者に適用される。各省、自治区、直轄市の政府は当地の実情に基づいて、社会団体およびその専従労働者、民営非企業単位およびその労働者、労働者を使用する都市部個人経営商工業者およびその労働者を保険適用範囲に含める。失業保険のメカニズムを整備し、失業保険基金の政府能力を向上させるため、1998年から失業保険基金は企業と労働者が共同で負担することになり、その納付比率は個人が1名、企業が2名となっている。

5.医療保険

1998年12月、国務院は『都市部労働者の基本医療保険制度の設立に関する決定』を発布した。決定により、1999年から全国的に都市部労働者の医療保険の改革を行い、年末に都市部労働者の基本医療保険制度を確立し,元の公費医療制度と労働保健医療制度は廃止される。新しい制度の規定により、都市部諸企業(国有企業、集団企業、外資企業、事業単位、社会団体、民営非企業単位およびその労働者)はいずれも基本医療保険に加入しなければならない。郷鎮企業及びその労働者、都市部個人経済組織の事業主およびその労働者が基本医療保険に加入するかどうかは、各省、自治区、直轄市の政府が決定する。

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※2002年以前は、旧・日本労働研究機構(JIL)が作成したものです。

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例) 出典:労働政策研究・研修機構「基礎情報:中国」

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