国内労働情報 26-04
第3回日本人の就業実態に関する総合調査
概要
研究の目的
本調査は、就業形態の多様化が進む中で、日本人の働き方の実情を体系的、継続的に把握することを目的とした調査で、2014年に続けて3回目。調査項目は、就業率・就業形態等の就業構造や労働時間、賃金、能力開発、職場、労使関係、転職状況、副業、満足度・生きがい等の就業意識――など、幅広く就業実態にかかわる項目を網羅している。
研究の方法
- 調査方法:
- 調査員による訪問留置調査
- 調査対象:
- 住民基本台帳をベースとした層化二段階抽出法で抽出した全国満20歳以上65歳以下の男女8,000人
- 調査期間:
- 2018年4月4日~4月22日
- 有効回収数/有効回収率:
- 有効回答数 4,409人(有効回収率 55.1%)
主な事実発見
- 全回答者に対する就業者の割合(就業率)は82.5%となっており、非就業者は17.5%。性別では男性91.1%、女性74.3%が就業しており、男女差が顕著。年代別に見ると、男性は20代から60代まで高い就業率(約90%前後)を維持している。一方、女性は20代で81.3%と比較的高いものの、30代74.0%、40代82.1%、50代77.8%、60代54.4%と、年代が上昇するほど非就業率が増加する傾向がある(図表1)。
図表1 就業の有無

- 雇われていない働き方をしている人(非雇用者)のうち、フリーランスなど人を雇わずに個人で業務を請け負う働き方(個人業務請負)の割合は18.8%。就業者ベースでの割合は2.9%となる。個人業務請負の約3割が「特定の1つの発注元から受注」しており、そのうちの7割が業務の受入れ可否を交渉出来ないとしている。具体的な仕事の中身は、建設・内装・設備・造園などのほか、ソフトウエア・システム開発、WEB制作などのIT系や、セミナー等講師、写真・映像の撮影・編集など(図表2)。
図表2 非雇用者における個人請負の割合 n=565

- 「仕事」が生きがいと回答したのは、男性が31.0%、女性が31.8%。性・年代別では、男性60代が39.5%と最も高く、次いで女性30代(35.0%)など。20代、30代、40代では男性より女性の方が「仕事」を生きがいとする割合が高くなっている(図表3)。
図表3 生きがいを感じていること(n=3637)
(%)
| 仕事 | 家庭 | 余暇、趣味 | ボランティアや 地域活動などの 社会活動 |
その他 | とくにない | 無回答 | 生きがいを 感じている(計) |
|
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全体 n=3637 | 31.4 | 43.1 | 59.2 | 4.4 | 0.9 | 13.9 | 2.2 | 83.8 |
| 男性 n=1960 | 31.0 | 42.9 | 60.3 | 4.0 | 0.6 | 13.5 | 2.6 | 84.0 |
| 女性 n=1677 | 31.8 | 43.4 | 57.9 | 4.9 | 1.2 | 14.5 | 1.8 | 83.7 |
| 男性20代 n=197 | 20.3 | 20.3 | 71.1 | 2.5 | 1.5 | 12.2 | 2.5 | 85.3 |
| 男性30代 n=373 | 26.3 | 49.9 | 61.1 | 2.1 | 0.8 | 11.5 | 2.7 | 85.8 |
| 男性40代 n=566 | 30.2 | 50.0 | 58.7 | 4.2 | 0.4 | 13.6 | 1.8 | 84.6 |
| 男性50代 n=530 | 34.5 | 41.7 | 60.4 | 4.0 | 0.2 | 16.2 | 2.3 | 81.5 |
| 男性60代 n=294 | 39.5 | 37.4 | 54.8 | 7.1 | 1.0 | 11.6 | 4.4 | 84.0 |
| 女性20代 n=204 | 24.5 | 29.4 | 73.5 | 2.0 | 2.0 | 8.8 | 2.0 | 89.2 |
| 女性30代 n=329 | 35.0 | 51.7 | 57.8 | 4.3 | - | 10.0 | 3.0 | 86.9 |
| 女性40代 n=508 | 31.3 | 47.4 | 53.5 | 3.9 | 1.2 | 16.9 | 1.2 | 81.9 |
| 女性50代 n=414 | 32.9 | 40.1 | 58.0 | 6.0 | 1.4 | 15.9 | 2.2 | 81.9 |
| 女性60代 n=222 | 33.3 | 40.5 | 53.6 | 8.6 | 1.8 | 18.0 | 0.9 | 81.1 |
- 現在仕事をしていない人(在学者除く)に、過去の就業経験を聞いたところ、「あり」が93.1%と大多数。しかし、細かく性・年代別で見ると、男性20代の25.0%、30代の42.1%で「就業経験がない」と回答しているのが目立つ。女性の同年代(女性20代18.2%、女性30代1.8%)と比べても格段に割合が高く、男性40代、男性50代(それぞれ7.7%、2.6%)と比べても1桁数字が違うほど高い(図表4)。
図表4 無業者の過去の就業経験

- 過去3年間で、落ち込んだり、やる気が起きないなどの精神的な不調(メンタルヘルス上の不調)を感じたことが「ある」人が、33.1%と3分の1を占めた。その大多数の74.2%は「通院治療なしでも、日常生活を送れる状態」だが、「通院治療しながらなら、日常生活を送れる状態」(19.3%)と「通院治療しながらでも、日常生活を送るのが困難な状態」(3.7%)を合せて、不調になった人の2割強が通院治療を必要としていた(図表5)。
図表5 メンタルヘルス不調経験の有無(性・年代別)

本文
研究の区分
情報収集
研究期間
平成29年度~令和7年度
調査実施担当者
- 浅尾 裕
- 労働政策研究・研修機構 元研究所長
- 郡司 正人
- 労働政策研究・研修機構 リサーチフェロー
- 高橋 康二
- 労働政策研究・研修機構 主任研究員
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