メールマガジン労働情報 No.2062

■□――【メールマガジン労働情報/No.2062】

ものづくり企業におけるDX取組状況など紹介/ものづくり白書 ほか

―2025年6月4日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】ものづくり企業におけるDX取組状況など紹介/ものづくり白書 ほか
【統計】4月の完全失業率2.5%、前月と同率/労働力調査 ほか
【労使】新体制が発足/経団連定時総会
【企業】バングラデシュにトレーニングセンター開校/ワタミ
【海外】介護分野の業種別最低賃金、7月1日から引き上げ/ドイツ ほか
【イベント】「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局 ほか

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【JILPT研究成果情報】
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◇資料シリーズNo.292『東南アジア諸国の職業能力評価制度―インドネシア、ベトナム、フィリピンに関する文献調査―』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2025/292.html

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【JILPTからのお知らせ】
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★JILPTリサーチアイ 第87回
「失業者の心理と社会システムをつなぐアプローチ─研究双書『失業の心理学』から見えるもの─」榧野 潤 特任研究員

2025年3月に、研究双書『失業の心理学─失業から再就職への橋渡し─』を上梓した。本書は、失業者が直面する
心理的課題と再就職への道筋を体系的に検討した書である。本稿の目的は、本書を貫く問題意識と主要概念を
整理し、読者が全体像を俯瞰できる見取り図を提示することにある。
その問題意識は、失業によって損なわれた労働者の自立性(self-reliance)をいかに回復するか、そして、その
根底にある、雇用関係における力の不均衡という社会システム上の課題をいかに克服するかの二点に集約される。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/087_250604.html

▽研究双書『失業の心理学─失業から再就職への橋渡し─』(榧野潤・西垣英恵 著)
【A5判428頁 定価:3,850円(本体3,500円) 3月31日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/sosho/unemployment/index.html

★労働政策フォーラム「多様化する若者の初期キャリアの現在」申込受付中!

若者の就職先が多様化する中、安定を望む親世代との意識の違いが生じています。
本フォーラムでは、若者の就業構造の変化に焦点を当て、若者の就職及びキャリア形成に関する現状や課題に
ついて、人事管理、キャリア教育の専門家らが事例を交えて、議論します。
第1部 2025年7月18日(金)~24日(木) *オンデマンド配信
第2部 2025年7月24日(木)14時00分~17時00分 *ライブ配信 開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250724/index.html

★2025年度「東京労働大学講座・総合講座」(7月開講、オンライン開催)募集中!
<労働法> 部門 7月10日(木)~8月29日(金)(14講義日+試験)
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

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【行政】
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●ものづくり企業におけるDX取組状況など紹介/ものづくり白書

政府は5月30日、「2024年度ものづくり基盤技術の振興施策」(ものづくり白書)を閣議決定した。製造業の
就業者数は、2023年は1,055万人、24年は1,046万人と微減した。中小企業(製造業)の従業員数過不足DIは新型
コロナ感染拡大による影響を受け過剰に転じた20年以降不足に転じ、24年はマイナス18.2とコロナ前(2019年)
と同水準になっている。
ものづくり企業におけるDX推進人材確保の方法をみると「社内人材の活用・育成」58.6%、「既存人材のみで
対応」26.1%となっている(JILPT調査研究成果引用)。DX推進に向けた施策の方向性として「在職者向けの
職業訓練の強化」、中小企業には「人材育成に関する相談から、育成プランの提案、訓練実施までの一貫した
支援」が必要としている。
▽厚生労働省Webサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/newpage_00195.html
(概要/厚生労働省担当パート)
https://www.mhlw.go.jp/content/11801500/001495890.pdf
▽経済産業省Webサイト
https://www.meti.go.jp/press/2025/05/20250530001/20250530001.html
▽ものづくり白書
https://www.meti.go.jp/report/whitepaper/mono/2025/index.html
▽白書に引用されたJILPTの調査研究成果
記者発表「ものづくり産業におけるDXと人材育成に関する調査」(5月9日)
https://www.jil.go.jp/press/documents/20250509.pdf

●職場の熱中症による死傷者、前年比14%増加/厚労省調査

厚生労働省は5月30日、2024年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)」を発表した。職場
での熱中症による死傷者(死亡および休業4日以上の業務上疾病者)数は1,257人(前年比151人・14%増)、
うち死亡者数は31人(前年と同数)。全体の約4割が建設業と製造業で発生し、年齢別では50歳以上が全体の
5割超を占めた。6月1日の労働安全衛生規則改正により、暑さ指数(WBGT)28度以上または気温31度以上の
環境で連続1時間以上または1日4時間を超えて作業する職場での「体制整備」「手順作成」「関係者への周知」
が義務付けられた。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58389.html
▽2024年 職場における熱中症による死傷災害の発生状況(確定値)
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001496511.pdf
▽職場の熱中症対策強化 改正安衛法施行規則
https://www.mhlw.go.jp/content/11303000/001496526.pdf
▽STOP!熱中症クールワークキャンペーン(5月1日から9月30日まで)
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000116133.html

●労働者協同組合に関するオンラインセミナーを開催/厚労省

厚生労働省は5月27日、2025年度の労働者協同組合に係るオンラインセミナーの全5回の開催予定を公表した。
初回7月は、「地域課題を解決する新たな選択肢」をテーマとして開催。第2回目以降(9月~2026年1月)
は、兼業・副業・フリーランスの協働を実現する働き方等がテーマ。各回ともオンラインで開催する。
「労働者協同組合」は、労働者が組合員として出資して地域社会の課題解決等に取り組む制度として22年10月
に発足、施行2年で100法人超が設立されている。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_57954.html
▽設立状況
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_43961.html

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【統計】
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●4月の完全失業率2.5%、前月と同率/労働力調査

総務省は5月30日、2025年4月の「労働力調査(基本集計)」を公表した。完全失業率(季調値)は2.5%で、
前月と同率。完全失業者数は188万人(前年同月比5万人減)で、3カ月連続の減少。就業者数は6,796万人(同46
万人増)で33カ月連続の増加。雇用者数は6,151万人(64万人増)で、38カ月連続の増加。正規従業員数は3,709
万人(同43万人増)で18カ月連続の増加。非正規従業員数は2,101万人(同17万人増)で4カ月連続の増加。
▽4月結果
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/index.html
▽4月概要
https://www.stat.go.jp/data/roudou/sokuhou/tsuki/pdf/gaiyou.pdf

●4月有効求人倍率1.26倍、前月と同水準/一般職業紹介状況

厚生労働省は5月30日、2025年4月分「一般職業紹介状況」を公表した。有効求人倍率(季調値)は1.26倍で、
前月と同水準。新規求人倍率(同)は2.24倍で、前月比0.08ポイント低下。新規求人(原数値)は、前年同月比
で2.2%増。産業別にみると、増加は情報通信業(9.0%増)、サービス業(8.3%増)、教育・学習支援業(3.9
%増)。減少は生活関連サービス業・娯楽業(4.4%減)、宿泊業,飲食サービス業(1.8%減)。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58118.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/content/11602000/001491313.pdf

●4月の鉱工業生産、前月比0.9%低下/鉱工業指数速報

経済産業省は5月30日、4月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表した。生産指数(季調値)は前月比
0.9%低下の101.5で3カ月ぶりの低下。業種別で低下したのは、「生産用機械工業」「輸送機械工業(自動車工
業を除く)」「金属製品工業」等。上昇は「電子部品・デバイス工業」「汎用・業務用機械工業」等。出荷は99.9
で同0.2%上昇。在庫は101.6で同0.5%低下。
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result-1.html
▽概要
https://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/result/pdf/press/b2020_202504sj.pdf

●2024年の労働災害死亡者数、過去最少/厚労省

厚生労働省は5月30日、2024年の労働災害発生状況を公表した。2024年の労働災害(新型コロナり患を除く)
による死亡者数は746人(前年比9人減)で過去最少となった。休業4日以上の死傷者数は13万5,718人
(同347人増)で、4年連続で増加した。新型コロナり患による労働災害による死亡者数は1人(前年比3人
減)、死傷者数は1万5,196人(同1万8,441人減)だった。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58198.html

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【労使】
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●新体制が発足/経団連定時総会

経団連は5月29日、定時総会を開催し会長選任を含む新体制を決定した。総会後の記者会見で筒井義信新会長は、
2025年度事業方針が掲げる「成長と分配の好循環」に向けた「科学技術立国」「貿易・投資立国」の実現へ邁進
するとの抱負を述べた。激動する現下の重要課題として「社会保障制度改革」「トランプ関税」「イノベーション」
「コメの価格引き下げ」「郵政民営化」を挙げた。
https://www.keidanren.or.jp/speech/kaiken/2025/0529.html
▽2025年度事業方針
https://www.keidanren.or.jp/policy/2025/027.html
(首相官邸ウェブサイト)
https://www.kantei.go.jp/jp/103/actions/202505/29nikkeidan.html.html

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【企業】
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●バングラデシュにトレーニングセンター開校/ワタミ

ワタミは5月29日、グループ会社による「ジャパントレーニングセンター」をバングラデシュ・ダッカに開校
予定と発表した。人材雇用研修局との協力により、技能実習制度と特定技能制度に対応した教育プログラムを
年間約1,000名が受講する。プログラムを他センターにも展開することで、日本への送り出し3,000名を目指す。
https://ssl4.eir-parts.net/doc/7522/ir_material/252103/00.pdf

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【海外】
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●国別労働トピック/JILPT
<ドイツ>介護分野の業種別最低賃金、7月1日から引き上げ

介護分野の業種別最低賃金が2025年7月1日から引き上げられ、保有資格に応じて、未経験者は時給16.10ユーロ、
介護補助士は同17.35ユーロ、看護介護専門士は同20.50ユーロとなる。適用期限は2026年6月末までとし、さらに
法定有給休暇に加えて、年間で9日間の追加の有給休暇(週5日勤務の場合)を取得する権利も付与される。
(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/06/germany_01.html

<ドイツ>連邦雇用エージェンシー、業務軽減に向けたAI導入を計画

公共職業安定機関である連邦雇用エージェンシー(BA)は、2032年までに現在の職員の35%以上が退職または離職
すると予測している。少子高齢化と労働人口の減少により、退職者の補充として新規採用を行っても、最大で3分
の1のポストが空席となる可能性がある。このような将来的な人手不足に対応するため、BAはスタートアップAI
企業「アレフ・アルファ(Aleph Alpha)」と業務提携し、最大1,900万ユーロを投じて職員の業務負担を軽減する
AIアシスタントの導入計画を進めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/06/germany_02.html

<ドイツ>AIが人材育成にもたらす影響 ―IAB事例分析

ドイツ労働市場・職業研究所(IAB)はこのほど、人工知能(AI)が労働に与える影響を多角的に調査する社会科学
プロジェクト「ai:conomics」を通じて得られた成果として、企業におけるAI導入と人材育成に関する事例分析を
公表した。以下にその概要を紹介する。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2025/06/germany_03.html

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【イベント】
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●「派遣先事業主・責任者研修会」/東京労働局

東京労働局は6月26日(木)、「派遣先事業主・責任者研修会」をオンライン(Zoom)で開催する。
派遣労働者を受け入れている(または受入予定の)事業所の担当者向けの内容で、男女雇用機会均等法等の
派遣労働者への適用、派遣労働者と労働基準法等の適用、外国人在留支援センターの紹介など、労働者派遣に
関わる様々なルールを説明する。参加無料。要事前申込。次回は7月29日(火)に同形式で開催予定。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_20250626_hasaki_00001.html

●「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー」/東京労働局

東京労働局は6月23日(月)、「派遣労働者の同一労働同一賃金オンラインセミナー~労使協定作成実務~」を
Zoomによるオンラインで開催する。派遣労働者の同一労働同一賃金に関する労使協定の作成方法について、
労使協定作成実務担当者向けの内容で、どなたでも参加可、受講無料。申込専用フォームから要事前申込。
今後、2026年2月まで月1回、同一内容で実施予定、繰り返し・一部のみ受講も可。
https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/news_topics/jyukyuuchousei_070623_01_00001.html

●かごしま「働き方改革」推進企業の募集/鹿児島県

鹿児島県は、長時間労働の是正,非正規雇用の処遇改善,柔軟な働き方がしやすい環境整備など働き方改革
に取り組む県内企業を「かごしま『働き方改革』推進企業」「かごしま『働き方改革プラス共働き・共育て』
推進企業」として認定している。受付は第1期:7月31日(木)、第2期:8月1日(金)~11月28日(金)。
https://www.pref.kagoshima.jp/af04/sangyo-rodo/rodo/hatarakikata/seido.html