メールマガジン労働情報 No.2022

■□――【メールマガジン労働情報/No.2022】

労組組織率16.1%、前年比0.2ポイント低下/労働組合基礎調査 ほか

―2024年12月20日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】特定技能制度及び育成就労制度に関する有識者会議開催を決定/政府会議 ほか
【統計】労組組織率16.1%、前年比0.2ポイント低下/労働組合基礎調査 ほか
【労使】実質的な残業時間が平均で過労死ラインを大幅に超過/日教組調査 ほか
【動向】出社頻度「週3日以上」は73.8%/民間調査
【企業】「67歳選択定年制度」を導入/大和ハウス工業
【海外】「職場暴力防止」の州法を制定 ―ニューヨーク、カリフォルニア/アメリカ
【イベント】シンポジウム「人手不足の「壁」を乗り越える」/東商

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【JILPTからのお知らせ】
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★JILPTリサーチアイ 第84回 「解雇等無効判決後における復職状況」
 濱口桂一郎 研究所長

去る2024年7月、調査シリーズNo.244『解雇等無効判決後における復職状況等に関する調査』を上梓した。
これは、厚生労働省の要請を受けて当機構が実施した調査研究結果を取りまとめたものである。その概要は既に
2024年5月10日に、内閣府に設置された規制改革推進会議 働き方・人への投資ワーキング・グループの第7回会合に、
厚生労働省事務局より報告されているが、そこに含まれていなかった詳細な調査結果も今回の調査シリーズには
盛り込まれているので、関心のある皆さまには是非この調査シリーズ自体を見ていただければと思う。
このリサーチアイでは、今回の調査シリーズに至るこの分野の先行研究の推移を概観した上で、今回の調査の
結果の概要を説明していきたい。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/084_241220.html
▽調査シリーズNo.244『解雇等無効判決後における復職状況等に関する調査』
https://www.jil.go.jp/institute/research/2024/244.html

★労働政策フォーラム「仕事と育児の両立支援─改正育児・介護休業法の施行に向けて―」申込受付開始!

本フォーラムでは、行政担当者による法改正の解説や従業員の両立支援や女性のキャリア支援に積極的に
取り組んでいる企業事例などを交えながら、改正育児・介護休業法の施行を踏まえた仕事・キャリア形成と
育児との両立をめぐる現状と課題について議論します。

日時  :第1部(オンデマンド配信)2025年2月7日(金)~13日(木)
    :第2部(ライブ配信)   2025年2月13日(木)13時30分~16時00分
開催方式:オンライン開催(Zoomウェビナー)
参加費無料、申込期限2月13日(木)
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250213/index.html

◇労働政策フォーラム(11月28日開催)の配布資料を公開しました!

「『新版OHBYカード』とキャリアコンサルティング──現代社会における自己理解・職業理解とキャリア支援」
▽配布資料
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20241128/resume/index.html

★労働政策フォーラム「シニア層の労働移動─就労・活躍機会の拡大に向けて」申込受付中!
https://www.jil.go.jp/event/ro_forum/20250115/index.html

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【行政】
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●特定技能制度及び育成就労制度に関する有識者会議開催を決定/政府会議

政府は17日、外国人材の受入れ・共生に関する関係閣僚会議を開き、特定技能制度及び育成就労制度の基本方針
及び分野別運用方針に関する有識者会議を開催することとした。官房長官は「人手不足が深刻化する中、
我が国が外国人材から選ばれる国になるためには、魅力ある受入れ制度構築が必要」「そのためには、
共生社会実現を目指し、外国人材がキャリアアップできる分かりやすい制度とし、人権侵害等の防止・
是正等を図ることが重要」と述べ、有識者会議でそれらを踏まえた両制度の基本方針及び分野別運用方針に
ついての議論を期待するとした。同会議は、基本方針案への意見提出(2025年2月)、分野別運用方針案
への意見提出(25年12月、26年12月)を予定している。
https://www.kantei.go.jp/jp/pages/20241217choukan_gaikoku.html
▽閣僚会議資料
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/gaikokujinzai/kaigi/dai20/gijisidai.html

●能登半島地震等に係る新たな雇用対策を実施/厚労省

厚生労働省は17日、能登半島地域における新たな雇用対策の実施を公表した。2024年能登半島地震の災害に
伴う雇用調整助成金の特例措置は、最短で24年12月末をもって終了し、今後、同地域の雇用維持支援は、
在籍型出向への支援が中心となる。
「産業雇用安定助成金(災害特例人材確保支援コース)」は在籍型出向により人材を確保する場合に、
出向元・出向先双方の事業主に一定期間の助成を行う。「雇用調整助成金(能登半島 地震豪雨・半島過疎
臨時特例)」は地震後に豪雨災害が重なったことや、地理的制約などに鑑み、2025年1年間に限り、
能登半島地震特例措置に代わる措置として実施する。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_47277.html
▽概要
https://www.mhlw.go.jp/content/11603000/001354872.pdf

●「キャリア教育アワード」「キャリア教育推進連携表彰」受賞団体等決定とシンポジウム開催/経産省・文科省・厚労省

経済産業省は16日、産業界による「キャリア教育」の取組奨励のため、優れた取組みを行う企業・団体等を
表彰する第14回「キャリア教育アワード」と、文部科学省と共同で学校を中心としたキャリア教育推進のため
各界連携して実施する取組を奨励する第13回「キャリア教育推進連携表彰」の受賞団体等を決定した。
また、2025年2月6日(木)に経産省・文科省・厚労省の3省合同で「24年度キャリア教育推進連携シンポ
ジウム」を開催し、上記表彰団体等の表彰式のほか、講演や事例発表を行う。表彰式関係者以外もオンライン
での視聴可。参加無料、要事前申込。
https://www.meti.go.jp/press/2024/12/20241216001/20241216001.html
▽2024年度キャリア教育推進連携シンポジウム概要/文科省
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/career/detail/mext_00018.html
▽キャリア教育推進連携シンポジウムの開催/厚労省
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_46601.html

●2026年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程を公表/関係省庁連絡会議

就職・採用活動日程に関する関係省庁連絡会議は5日、2026年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に
関する考え方を公表した。日程は25年度卒と同様、広報活動開始は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降、
採用選考活動開始は卒業・修了年度の6月1日以降、正式な内定日は卒業・修了年度の10月1日以降、を原則
とする。ただし、専門活用型インターンシップを通じて判断される者については、(1) 卒業・修了年度に入る
直前の春休み以降で、専門活用型インターンシップを活用し、かつ(2)インターンシップ後の採用選考を経る
ことにより、6月の採用選考開始時期にとらわれないこととする。あわせて、内(々)定と引換えに、他社
への就職活動を取りやめるよう強要するなどの「オワハラ」の防止徹底を要請している。
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou/index.html
▽2026年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方
https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/shushoku_katsudou/pdf/r061205_siryou.pdf
▽厚労省:大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000184189_00002.html

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【統計】
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●労組組織率16.1%、前年比0.2ポイント低下/労働組合基礎調査

厚生労働省は18日、2024年「労働組合基礎調査」結果を公表した。2024年6月30日現在の推定組織率は16.1%
で、前年比0.2ポイント低下し、過去最低。労働組合員数は991万2,000人で、同2万5,000人(0.3%)減少。
パートタイム労働者の労働組合員数は、146万3,000人で、同5万3,000人、3.8%増加し過去最高。
全労働組合員数に占める割合は14.9%で同0.6ポイント上昇、組織率は8.8%で同0.4ポイント上昇。
女性の労働組合員数は350万6,000人で、同3万2,000人(0.9%)増加、組織率は12.4%で前年と同水準。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/24/index.html
▽報道発表資料
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/roushi/kiso/24/dl/houdou.pdf

●11月の消費者物価指数、2.7%上昇/総務省

総務省は20日、11月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く総合指数は109.2で
前年同月比2.7%の上昇。前月比(季調値)は0.5%の上昇。前年同月比で上昇が大きかったものは、
「穀類」15.0%、「生鮮野菜」14.3%、「生鮮果物」11.1%など。品目では「外国パック旅行費」80.8%、
「うるち米(コシヒカリを除く)」64.7%、「キャベツ」61.0%などの上昇が目立つ。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
▽報道資料
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

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【労使】
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●実質的な残業時間が平均で過労死ラインを大幅に超過/日教組調査

教員の実質的な月の残業時間は平均88時間36分で、いわゆる「過労死ライン」の80時間を大きく超えている
―日教組(梶原貴委員長、19万6,000人)が11月29日に公表した今年の「学校現場の働き方改革に関する
意識調査」で、こんな実態がわかった。調査結果からは、4割弱の教員が1日の休憩時間を「0分」と回答。
管理職による勤務状況の把握も、平日は約8割が出退勤を把握しているが、土日祝日は半数程度にとどまっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20241220a.html

●2交替病棟の割合が50%を超えて過去最高を更新/日本医労連調査

日本医労連(佐々木悦子委員長、14万2,000人)は12日、2024年度の夜勤実態調査を発表した。それによると、
8時間以上の長時間勤務が前提となる「2交替」病棟の割合が50.7%とはじめて50%を超えて、過去最高を
更新。「2交替」職場の約半数では、16時間以上の長時間夜勤が行われていた。「3交替」職場でも、
4分の1強で「月9日以上」の夜勤に従事しているなど、調査結果からは、看護職員・看護要員の過酷な
労働実態が浮き彫りになっている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/kokunai/topics/mm/20241220b.html

●労働市場改革に必要な4つの視点を提示/経済同友会

経済同友会の人材活性化委員会は17日、「新たな政治体制下で求める労働市場改革に関する意見―持続的な
成長と継続的な賃金上昇の二兎を追う、令和モデルの労働市場を―」を発表した。賃金上昇を継続させるには、
分配の原資を生み出すための持続的成長が不可欠で、そのためには企業と個人が競争力と生産性を高めていく
必要があり、鍵は労働市場の流動化にある、とし労働市場改革に必要な4つの視点を提示。「円滑な労働移動
の促進」「流動化前提の雇用セーフティネット整備」「多様な個人が活躍可能な労働法制の見直し」
「税制・社会保障制度の再構築」を挙げた。
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/2024/241217.html

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【動向】
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●出社頻度「週3日以上」は73.8%/民間調査

野村総合研究所は4日、「働き方と郊外・地方移住に関する調査」結果を発表した。2024年7月時点の
出社頻度は「週3日以上」が73.8%、うち毎日出社する割合は47.4%で前年同月調査(53.1%)より減少。
また、「勤務先に出社に関するルールあり」とした人に頻度のルールを尋ねたところ「週3日以上」出社が
72.6%で、出社状況ともおおむね一致した。週3日以上の出社が定着したが、コロナ前と比較し柔軟な働き方も
一定程度許容されつつあるとみている。調査は、24年7月に都内企業(300人以上)勤務者を対象に実施、3,091人から回答を得た。
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2024/cc/1204_1

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【企業】
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●「67歳選択定年制度」を導入/大和ハウス工業

大和ハウス工業は13日、2025年4月1日より、社員自らが65歳または67歳の定年年齢を選択できる
「67歳選択定年制度」を導入すると発表した。これまで定年年齢は65歳だったが、65歳または67歳の
選択制となる。対象は全国社員で、地域限定社員は65歳定年。退職一時金は、選択した定年年齢での退職時に
支給する。同社は13年4月に定年年齢の65歳への引き上げ、22年4月に60歳一律の役職定年や処遇体系の改定を
実施。「67歳選択定年制度」導入により、意欲あるシニア人財がよりシームレスな処遇体系の中で活躍できる
環境とする、としている。
https://www.daiwahouse.co.jp/about/release/house/20241213092636.html

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【海外】
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●国別トピック

<アメリカ>
▽「職場暴力防止」の州法を制定 ―ニューヨーク、カリフォルニア

米国では、従業員が顧客とのトラブルなどから職場で暴力の被害に遭う事件が増え、社会問題化している。
カリフォルニア州とニューヨーク州でこのほど、職場での顧客など他者による暴力から従業員を守るための
法律が制定された。カリフォルニア州では、ほとんどの業界の雇用主に対して、非常時対応の訓練を含む、
職場での暴力防止計画の策定を義務づけた。ニューヨーク州では、従業員10人以上規模の小売業者を対象に、
同様の計画策定を義務化。500人以上規模の小売業者に対しては、従業員が非常時に身の危険を知らせる
アラーム(パニックボタン)にアクセスできるようにすることなどを定めている。(JILPT調査部)
https://www.jil.go.jp/foreign/jihou/2024/12/usa_01.html

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【イベント】
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●シンポジウム「人手不足の「壁」を乗り越える」/東商

東京商工会議所は2025年2月25日(火)、シンポジウム「人手不足の「壁」を乗り越える~少数精鋭の成長モデル
への自己変革~」を千代田区で開催する。現在、深刻な人手不足があらゆる企業にとって最大の経営課題の
一つとなっているところ、中小企業の人手不足対策への取組みを促すため、常識の「壁」を打ち破る
チーム作りをテーマとした基調講演や、人手不足の「壁」を乗り越え挑戦を続ける中小企業経営者4名による
パネルディスカッションを予定。参加無料。定員250名。25年2月19日(水)までに申し込む。
https://myevent.tokyo-cci.or.jp/detail.php?event_kanri_id=204995