メールマガジン労働情報 No.1855

■□――【メールマガジン労働情報/No.1855】

今後の仕事と育児の両立支援について議論/厚労省研究会 ほか

―2023年3月29日発行――――――――――――――□■

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  本号の主な内容
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【行政】今後の仕事と育児の両立支援について議論/厚労省研究会 ほか
【統計】正社員、パートタイム労働者とも不足超過が続く/労働経済動向調査 ほか
【労使】賃上げ率の加重平均は3.76%/連合第2回回答集計
【動向】コロナ関連融資、「返済に不安」を感じる企業は12%/民間調査 ほか
【企業】新卒新入社員を対象とした新生活応援手当を創設/あいおいニッセイ同和損害保険
【イベント】労働セミナー「新任担当者向け やさしい派遣法講座」/東京都労働相談情報センター

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【JILPT研究成果情報】
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◇第4期プロジェクト研究シリーズNo.6
 『雇用流動化と日本経済─ホワイトカラーの採用と転職』を刊行しました!

 長期雇用慣行は大企業正社員の特徴のように思われていますが、経済のサービス化を
背景に、大企業の正社員でも雇用は流動化しています。このことは、労働市場を
活性化させ、経済成長の原動力となり、人びとに豊かな経済生活をもたらしている
といえるでしょうか。そのような問題意識で、企業における中途採用者の人事管理と
個人の転職行動の両面から、日本の大企業で進みつつある正社員の雇用流動化の
評価を試みています。
【A5判 226頁 定価:2,750円(本体2,500円)3月28日刊行】
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/06/index.html

◇第4期プロジェクト研究シリーズNo.4
 『介護離職の構造─育児・介護休業法と両立支援ニーズ』を刊行しました!

 育児・介護休業法(1995年制定)は、3か月(93日)の介護休業を企業に義務づけて
いますが、その取得者は少なく、政府は法改正を通じて多様な両立支援の整備を
進めています。本書は、現行法が想定する仕事と介護の生活時間配分の問題から
守備範囲を広げて、介護者の健康や人間関係の問題など、介護離職につながりうる
多様な問題にも着目し、対応可能な両立支援制度の考え方を示しています。
【A5判 308頁 定価:3,300円(本体3,000円)3月14日刊行】
https://www.jil.go.jp/institute/project/series/2022/04/index.html

◇資料シリーズ No.265『雇用調整助成金の支給実態―リーマン・ショックからコロナ禍1年目にかけて―』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/265.html

◇資料シリーズ No.264『Web提供型の簡易版職業適性評価ツール:Gテストの検査拡充に係るプロトタイプ開発報告』
https://www.jil.go.jp/institute/siryo/2023/264.html

◇ディスカッションペーパー 23-01『職場における感染症拡大防止をめぐる法政策―コロナ禍におけるドイツ労働法の形成と展開』
https://www.jil.go.jp/institute/discussion/2023/23-01.html

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【JILPTからのお知らせ】
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☆2023年度・第72回東京労働大学講座 総合講座(5月開講、オンライン開催)受講者募集中!

 「人事管理・労働経済」「労働法」の2部門で、現代の労働問題を学習するのに
最適なトピックス31課目を精選して開講します。講師陣には当該分野の第一人者を
網羅し、各学問分野の理論・視点から労働市場の現状や課題、労働問題などについて
講義します。

開講期間:2023年5月9日(火曜)~8月31日(木曜)(31講義日、2試験日)
開催方式:オンライン開催(ライブ配信)
配信方法:Zoomウェビナー利用
講義時間:午後6時30分~8時30分まで(120分)
     オンデマンド受講ではありません。各講義1回だけの配信となります。
https://www.jil.go.jp/kouza/sogo/index.html

☆『労働関係法規集2023年版』 発売中!

 主要な労働関係法規を持ち運びに便利な分量・判型に収めたコンパクトサイズの
法規集です。2023年版では、「公立の義務教育諸学校等の教育職員を正規の勤務時間を
超えて勤務させる場合等の基準を定める政令」「女性の職業生活における活躍の推進
に関する法律に基づく一般事業主行動計画等に関する省令」等を新たに収録するとともに、
「職業安定法」「職業能力開発促進法」「障害者の雇用の促進等に関する法律」
「雇用保険法」等の改正法令を収録しています。
【B6判変型 1,188頁 定価1,980円(本体1,800円)3月27日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/houkishu.html

◇『日本労働研究雑誌』2023年4月号を刊行しました!
 特集「現在の労働問題を考える上で改めて読んでおきたい文献」

 現在の労働問題として、(1)雇用制度改革(2)賃金と所得(3)技能形成
(4)男女の働き方(5)企業経営と人事を取り上げ、これらのテーマを考える上で
改めて読んでおきたいと思われる著作や論文を選び、その現代的な意義を紹介します。
https://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2023/04/index.html

◇『データブック国際労働比較2023』を公開しました!

 経済、労働、雇用状況、勤労生活等に関する各国の統計指標を、国際比較が
可能な形に編集・収録した年刊資料集です(3月27日公開)
https://www.jil.go.jp/kokunai/statistics/databook/2023/index.html

◇ブックレット『「非正規雇用」について考える』を刊行しました!

 「非正規雇用」について、その概念、生まれ育ってきた歴史と背景、問題点、
対策の経緯、現状などを概観しつつ、一からこの問題を考えます。本問題に関し、
エポックとなる重要文書などを巻末資料として収録しました。
【A4判 162頁 定価:1,430円(本体1,300円)3月14日刊行】
https://www.jil.go.jp/publication/ippan/booklet/05.html

◇英文ジャーナル『Japan Labor Issues』(電子版)2023年4月号を公開しました!
https://www.jil.go.jp/english/jli/index.html

☆JILPTリサーチアイ 第76回
 持続的な賃金の引き上げに向けて─2023年春闘の動向と5社の調査事例から─
                 JILPTリサーチフェロー 荻野 登(3月23日)

 2023年の春季労使交渉は、2月中旬以降に本格化する労使交渉の前から、
大手企業のトップによる賃金引き上げに前向きな発言が相次いだ。岸田首相も
物価上昇を超える賃上げを要請するなど、政労使とも賃上げに積極的な姿勢を
示すなか展開した。
https://www.jil.go.jp/researcheye/bn/076_230323.html

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【行政】
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●今後の仕事と育児の両立支援について議論/厚労省研究会

 厚生労働省は24日、第5回「今後の仕事と育児・介護の両立支援に関する研究会」
を開催した。研究会では、今後の仕事と育児の両立支援について、子が3歳までの
両立支援では、現在、努力義務となっている出社・退社時間の調整などに加えて、
テレワークを努力義務として位置づけること、3歳以降小学校就学前までについては、
各職場の事情に応じて短時間勤務、テレワーク等の措置を講じることを事業主に
義務づけることや、現在3歳まで請求できる残業免除(所定外労働の制限)を
小学校就学前まで請求できるようにすることなどが論点として示された。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32219.html
(今後の仕事と育児の両立支援について(論点案))
https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001077529.pdf

●新型コロナ感染症の5類への変更を踏まえQ&Aを更新/厚労省

 厚生労働省は24日、新型コロナ感染症が5類に変更されることを踏まえ、
Q&Aを更新した。労働者については、業務起因性が認められる場合、医師、
看護師などの医療従事者や介護従事者については業務外感染でないことが
明らかな場合は、労災給付の対象とする一方、メリット制との関連では、
新型コロナ感染症関連の給付をメリット制の対象外としていた扱いを改め、
5類変更後に労働者が発病した場合の給付はメリット制の対象とし、
労災保険料への影響がありえるとしている。
(企業向け)更新箇所:7-問1、問2、問3、問13
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
(労働者向け)更新箇所:5-問1、問2、問3
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00018.html

●全国労働衛生週間のスローガンを募集/厚労省

 厚生労働省は、毎年10月に行われている全国労働衛生週間のスローガンを
募集している。スローガンは、時間外・休日労働の削減、年次有給休暇の
取得促進による仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)の推進、
職場環境改善の取組等メンタルヘルス対策の推進などを図る内容のもの。
誰でも応募可能。募集期間は4月30日まで(当日消印有効)。
https://www.mhlw.go.jp/public/bosyuu/iken/p20230323-01.html

●「専門職大学・専門職短期大学」のパンフレット等を公表/文科省

 文部科学省は24日、「専門職大学・専門職短期大学」のパンフレットを公表した。
同大学は、特定の職業のプロフェッショナルになるために必要な「知識・理論」と
「実践的なスキル」の両方を身につけることのできる新しいタイプの大学として、
2019年度に制度がスタートした。専門職大学等に関する企業・自治体のインタビュー、
通っている学生の生の声なども紹介している。
https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senmon/index_pc.htm
(パンフレット)
https://www.mext.go.jp/content/20230324-mxt_senmon01-100001394_01.pdf

●今後の国家公務員の目指すべき働き方を提言/人事院研究会報告

 人事院は27日、「テレワーク等の柔軟な働き方に対応した勤務時間制度等の在り方
に関する研究会」の最終報告を公表した。報告書は、質の高い公務の持続的な提供に
向けた施策として、フレックスタイム制の拡充など、より柔軟な働き方を可能とすること、
職員の希望に応じてテレワークが可能となるよう基準を明確化すること、原則11時間の
インターバル確保を目指すことなどをあげている。
https://www.jinji.go.jp/kisya/2303/kinmujikan-kenkyukai15.html
(概要)
https://www.jinji.go.jp/kenkyukai/kinmujikan-kenkyukai/saishuuhoukoku-gaiyou.pdf

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【統計】
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●正社員、パートタイム労働者とも不足超過が続く/労働経済動向調査

 厚生労働省は24日、「労働経済動向調査(2023年2月)」結果を公表した。
労働者の過不足判断D.I.(不足-過剰、2月1日現在・産業計)は、正社員等
労働者プラス46ポイント、パートタイム労働者プラス31ポイントで、それぞれ
47期、54期連続の不足超過。23年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」
事業所割合を学歴別にみると、高校卒44%(前年40%)、大学卒(文科系)43%
(同38%)、大学卒(理科系)43%(同39%)、大学院卒26%(同23%)などとなり、
各学歴で前年同期を上回った。
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2302/
(報道発表資料)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2302/dl/7siryo.pdf
(概況)
https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/koyou/keizai/2302/dl/8roudoukeizaidouko.pdf

●2月の生鮮食品を除く総合指数、前年同月比3%上昇/全国消費者物価指数

 総務省は24日、2月の全国消費者物価指数を公表した。生鮮食品を除く
総合指数は103.6で前年同月比3.1%の上昇、前月比(季節調整値)0.7%の下落。
前年同月比での上昇に寄与したのは、さけなどの生鮮魚介15.7%(寄与度0.19)、
ガス代12.5%(同0.21)、鶏卵などの乳卵類11.7%(同0.15)、電気冷蔵庫などの
家庭用耐久財11.2%(同0.14)など。
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/index-z.html
(報道発表資料)
https://www.stat.go.jp/data/cpi/sokuhou/tsuki/pdf/zenkoku.pdf

●基調判断「足踏みを示している」で据え置き/1月景気動向指数の改訂状況

 内閣府は27日、1月の「景気動向指数・速報からの改訂状況」を公表した。
景気の現状を示す「一致指数」は、前月差3.0ポイント低下の96.4(速報値は96.1)。
景気動向指数(CI一致指数)に基づく基調判断は、「足踏みを示している」で
据え置き。
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/202301rsummary.pdf
(統計表)
https://www.esri.cao.go.jp/jp/stat/di/di.html

●建設労働需給、2月は1.0%の不足/国交省

 国土交通省は27日、「建設労働需給調査」(2023年2月調査)結果を公表した。
左官、配管工など8職種の全国過不足率は1.0%の不足、前月と比べ0.2ポイント
不足幅が縮小した。職種別では、型わく工(土木)、鉄筋工(建築)で過剰、
その他の職種で不足となっている。東北地域は1.0%の不足、前月と比べ0.1ポイント
不足幅が縮小。8職種の今後の労働者の確保に関する見通し(4月及び5月)は、
全国及び東北地域とも「普通」としている。
https://www.mlit.go.jp/report/press/tochi_fudousan_kensetsugyo14_hh_000001_00139.html
(報道発表資料)
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001595598.pdf

●海外現地法人の売上高2.2%減/経産省調査

 経済産業省は28日、2022年10~12月の「海外現地法人四半期調査」の結果
を公表した。売上高(全地域合計)は、前年同期比2.2%減で2期ぶりの減少。
地域別に見ると、アジアは中国の輸送機械などの減少により、同8.4%減で
2期ぶりの減少、北米は輸送機械などの増加により、同8.9%増で2期連続の
増加、欧州は同2.3%減で5期連続の減少。
https://www.meti.go.jp/press/2022/03/20230328002/20230328002.html

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【労使】
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●賃上げ率の加重平均は3.76%/連合第2回回答集計

 連合は24日、2023年春季生活闘争第2回回答集計結果を発表した。平均賃金
方式で回答を引き出した1,290組合の定期昇給相当分込みの賃上げ額の加重平均は
1万1,554円、率で3.76%(前年同期比5,102円増・1.63ポイント増)。組合員300人
未満の中小706組合では、定期昇給相当分込みの賃上げ額は8,763円、率で3.39%
(同3,735円増・1.43ポイント増)。全体、中小組合ともに、比較可能な2013年
闘争以降、賃上げ額・率とも最高。
https://www.jtuc-rengo.or.jp/activity/roudou/shuntou/2023/yokyu_kaito/kaito/press_no2.pdf

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【動向】
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●コロナ関連融資、「返済に不安」を感じる企業は12%/民間調査

 帝国データバンクは23日、「新型コロナ関連融資に関する企業の意識調査」
結果を発表した。「現在借りている」企業のうち、2月時点で融資の「5割以上」
を返済した企業は18.7%、「未返済や今後返済開始」企業は29.5%。今後の
返済見通しについては、「融資条件通り、全額返済できる」企業は85.4%
「返済に不安」を感じる企業は12.2%。返済に不安感を抱く企業を業種別に
見ると、新型コロナによる影響を大きく受けた「旅館・ホテル」(39.3%)
が最多、次いで「飲食店」(31.7%)など。
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p230306.html
(詳細)
https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/pdf/p230306.pdf

●2022年の正社員の転職率は7.6%、16年以降の最高水準/民間調査

 マイナビは24日、「転職動向調査2023年版」を発表した。2022年の転職率
(20~50代の正社員)は7.6%で、前年比0.6ポイントの上昇、2016年以降で
最も高い水準。入社を決めた理由は、「給与が良い」(15.4%)が最多、
次いで「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる」(9.8%)、
「希望の勤務地である」(9.2%)など。
https://www.mynavi.jp/news/2023/03/post_38209.html

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【企業】
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●新卒新入社員を対象とした新生活応援手当を創設/あいおいニッセイ同和損害保険

 あいおいニッセイ同和損害保険株式会社は17日、2023年度以降入社の
新卒新入社員を対象とした「新生活応援手当」を創設すると発表した。
同手当は6月賞与支給時に12万円を加算するもので、新入社員が抱える
新生活移行に向けた不安を経済面から軽減し、社会人としての早期自立を
支援するとしている。
https://www.aioinissaydowa.co.jp/corporate/about/news/pdf/2023/news_2023031701134.pdf

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【イベント】
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●労働セミナー「新任担当者向け やさしい派遣法講座」/東京都労働相談情報センター

 東京都労働相談情報センターは、4月18、20日の2日間、労働セミナー
「新任担当者向け やさしい派遣法講座~派遣法の基礎知識やよくある誤り事例、
労働者が気にする年収の壁など~」を立川市で開催する。派遣法を初めて学ぶ方
を対象として、派遣法を基礎から解説するとともに、派遣スタッフを含めた
非正規労働者における「年収の壁」についても説明する。受講無料。定員50名。
https://www.hataraku.metro.tokyo.lg.jp/seminarform/index/detail?kanri_bango=seminar-zchuo-001312