労働政策研究報告書No.114
成人キャリア発達に関する調査研究
―50代就業者が振り返るキャリア形成―

平成 22年 3月18日

概要

人口減少下において、働く意欲と能力をもつ全ての人々が、職業能力を蓄積・発揮していくことが、活力ある豊かな経済社会の実現のための課題となっています。従来のキャリア形成支援に対する議論は、若者、女性、高齢者等の労働市場の参入・再参入層、引退層が主な対象でした。しかしながら、個人の生涯にわたるキャリア形成、社会全体の活力の維持・向上の両側面からみれば、労働市場の中堅である成人層が、キャリア形成支援対象者として改めて注目されます。

本報告書では、おもに50代の就業者を対象に、50代の就業者が自らのキャリアを振り返った際の外的・客観的キャリアを押さえつつ、内的・主観的なキャリアに焦点を当て、その内容とキャリア形成支援上の問題点を検討しています。

そのため、調査は外的・客観的なキャリアや現在の満足感、ライフイベントなどを尋ねた他、ライフライン法、自由記述等の手法を用いて質的データを収集する内容としています。特に、ライフライン法により描かれた曲線に係る大量データの収集と傾向分析は、わが国初のものであると言っても過言ではない野心的な挑戦でしたが、幸いにして質問の主旨を理解いただき、多くの貴重なデータを収集することができました。

上記調査結果をもとに、客観的キャリアと主観的キャリアの関連性、成人キャリアの多様性、質的アセスメントの可能性等を示し、今後の成人キャリア支援施策及びキャリア・コンサルティング技法等に関する若干の示唆を行っています。

本報告書が、今後の成人キャリア支援推進の基礎資料を提供するものとなるとともに、キャリア・コンサルティング等における支援ツール検討の一助となるものになれば、幸いです。

本文

研究期間

平成20年度~21年度

執筆担当者

西村 公子
労働政策研究・研修機構 統括研究員
下村 英雄
労働政策研究・研修機構 副主任研究員
深町 珠由
労働政策研究・研修機構 研究員
室山 晴美
労働政策研究・研修機構 主任研究員

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内容について
研究調整部 研究調整課 お問合せフォーム新しいウィンドウ
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