第4期プロジェクト研究シリーズNo.4 介護離職の構造─育児・介護休業法と両立支援ニーズ
第46回(令和5年度)労働関係図書優秀賞 受賞!
概要
少子高齢化を背景に、政府は、家族介護による離職(介護離職)を社会保障と経済対策の双方に関わる重要な問題と位置づけ、「介護離職ゼロ」に向けた総合的な対策に取り組んでいます。労働政策においては、1995年制定の育児・介護休業法が3か月(93日)の介護休業を企業に義務づけています。しかし、その取得者は少なく、政府は法改正を通じて多様な両立支援の整備を進めています。
本書は、現行法が想定する仕事と介護の生活時間配分の問題から守備範囲を広げて、介護者の健康や人間関係の問題など、介護離職につながりうる多様な問題にも着目し、対応可能な両立支援制度の考え方を示しています。多様な両立支援ニーズに対応することによって「介護離職ゼロ」にも貢献しうる政策研究であるといえます。
目次
- 序章 介護離職問題と両立支援の現在地
- 第1章 法制度と実態の乖離を問う
─本研究のための「構造」概念の整理 - 第2章 介護離職防止のための法政策
─育児・介護休業法の枠組み - 第3章 長期介護休業の必要性
─その理由の多様性に着目して - 第4章 日常的な介護と介護休業
─介護休暇・短時間勤務との代替関係 - 第5章 介護者の健康と両立支援ニーズ
─生活時間配分と健康問題の接点 - 第6章 介護サービスの供給制約と介護離職
─介護の再家族化と両立支援ニーズ - 第7章 「望ましい介護」と仕事の両立
─介護方針の多様化と介護離職 - 第8章 介護離職と人間関係
─職場、家族、友人との関係に着目して - 終章 多様性に対応した両立支援に向けて
執筆者
- 池田 心豪
- 労働政策研究・研修機構 主任研究員
※所属や肩書は2023年3月14日時点のものです。
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