外国人労働者受入れ制度に新たな枠組み
 ―より低い年収での就労を許可

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2026年7月

2026年6月、政府は、外国人労働者の受入れについて、既存制度より低い年収基準で労働許可を付与できる新たな制度を設ける法案を提出した。この制度は、労働協約が適用される認定企業を対象とする。法案が議会で可決されれば、2027年1月1日から施行される予定である。

労働協約の適用職種かつ認定を受けた企業が対象

この制度は、一定の要件を満たす労働協約の対象職種で外国人を雇用する場合に限り利用できる。企業は、事前にデンマーク国際採用統合庁(SIRI)による認定を受ける必要がある。

認定を受けるための手順は次のとおりである。まず、企業は①この制度を通じて自社が適用を受ける労働協約の対象職種でのみ外国人を雇用すること、②労働協約の遵守状況についての継続的な監視を受けること、③過去2年間に、外国人労働者への賃金未払いを理由に、労働裁判所などから罰金を科されたことがないこと、について誓約書を提出しなければならない。

また、企業は次の条件を満たしている必要がある。①所定の手数料を納付していること、②国内に10人を超えるフルタイムの従業員を雇用していること、③法的な労働争議に関与していないこと、④デンマーク労働環境局からの即時是正命令が未解決のまま残っていないこと、⑤過去1年間に外国人法(Aliens Act)に基づく処分を2回以上受けていないこと(または罰金など一定以上の処分を受けていないこと)。

さらに、企業はSIRIによる事前ガイダンスに参加しなければならない。また、3か月以内に発行された特記事項のない事業証明書を提出することや、過去2年間事業を継続しており、年次報告書または財務諸表を提出していることも求められる。

認定の有効期間は3年間であり、更新時には4年間有効となる。不正な手段によって認定を取得した場合や、条件を満たさなくなった場合には認定が取り消される可能性がある。

既存制度より低額の年収で労働許可を発行

この制度を利用して雇用される労働者は、対象国の国民でなければならない。この対象国は、EU/EEA圏域外の国のうち、デンマークの対外投資と対内直接投資の合計額が大きい上位10か国に加え、EU加盟候補国及びデンマークと二国間の移動協定を締結している国が含まれる。2026年時点では、対象国は16か国である(注1)

制度を通じて雇用される労働者は、認定を受けた企業から労働協約の対象となる仕事のオファーを受けている必要がある。雇用契約はフルタイムでなければならない。また、提示される給与額が2026年時点では年額32万2,000クローネ以上である必要がある。この金額は、既存の「ペイリミット制度(Pay Limit Scheme)」(一定額以上の年収があれば職種を問わず労働許可を取得できる制度)の基準額である、55万2,000クローネを下回っている。給与は、国内の銀行口座に振り込まねばならない。

また、申請前2年間にデンマーク国内において刑法や外国人法などに基づき3,000クローネ以上の罰金を科されていないことも条件となる。

制度を利用する外国人は、申請書類の提出、手数料の支払い、生体情報の登録が完了すれば就労を開始することができる。家族の帯同も可能である。

居住許可及び労働許可は最長で3年間有効であり、その後は1回につき最長4年間延長できる。

なお、国内の雇用情勢が悪化した場合には、制度の運用が停止される仕組みとなっており、具体的には、過去3か月間の季節調整済総失業率の平均が、所定の水準(現行の規則では3.75%)を超えていないことが、制度実施の条件とされている。

労使で協約遵守をモニタリング

デンマーク労働組合連盟(FH)と、デンマーク使用者連盟(DA)は、労働協約が遵守されているかモニタリングするために、新たな協定を締結した。協定によると、制度を利用する企業は、同制度に基づく雇用及び給与について、組合代表者(注2)に通知しなければならない。組合代表者は、この制度によって新たに雇用された外国人労働者と面談し、労働条件を確認したり、社内規定や組合代表者の役割について説明する機会を設けることができる。その後、雇用主、組合代表者、当該労働者で会合を開催する。この際、雇用主は、労働協約が遵守されているかについての評価や、給与決定の根拠といった背景情報を説明する(注3)

2027年から施行予定

国内最大の使用者団体であるデンマーク産業連盟(DI)とデンマーク商工会議所は、この制度の実施を評価している。

同制度を定めた法案は8月または9月にデンマーク議会で審議される。法案が可決されれば、2027年1月1日から施行される。この制度による就労者数は、2030年までは550人、2050年までには1,300人程度になると予測されている。

参考文献

参考レート

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