男女賃金格差は、前年と変わらず

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連邦統計局(Destatis)によると、2025年も女性の時間当たり賃金は男性を下回った。労働市場の構造的格差を除去する前の未調整の男女賃金格差は16%で、前年と変わらなかった。依然として男女間の賃金格差が存在していることが示されたものの、長期的にみれば、格差は2016年以降、おおむね縮小傾向にある。

格差は前年と変わらず

連邦統計局は毎年、男女間の賃金格差に関する数値を公表している。これは、賃金格差の可視化を通じて、労働市場における男女平等の実現を目指す取組の一環である。2025年の女性労働者の平均時給は22.81ユーロで、男性労働者の平均時給27.05ユーロを4.24ユーロ下回った。この結果、労働市場の構造的格差を除去する前の未調整の男女賃金格差は16%となった(図表1)。

図表1:ドイツの男女賃金格差の推移(2006年、2014~2025年)
画像:図表1

出所:Destatisをもとに作成。

なお、地域別にみると、旧西ドイツ地域(ベルリンを含む)は17%であったのに対し、旧東ドイツ地域では5%にとどまり、地域間で大きな差がみられた。

産業による格差の違い

2025年の男女賃金格差は、産業分野によって大きく異なる。「金融・保険活動」および「専門的・科学的・技術的活動」の格差が最も大きく、いずれも25%であった。「医療・社会福祉活動」および「情報通信」でも、男性の平均賃金は女性を大きく上回っており、格差は19%であった。また、従来から男性比率の高い「製造業」でも、格差は19%と大きかった。

これに対し、「運輸・倉庫業」における格差は3%と比較的小さかった。ただし、この分野で就業する女性は少数にとどまる。「宿泊・飲食サービス業」(7%)および「教育業」(8%)でも格差は比較的小さいが、これらの分野では女性就業者の割合が高いという特徴がある。なお、「給水、下水道、廃棄物管理、環境修復活動」では、女性の平均賃金が男性をわずかに上回っていた。

公的部門の格差は民間より小さい

男女賃金格差は、農林水産業および公的行政部門を除外するユーロスタットの標準定義に基づいて算定される。これに公的行政部門を含めて計算した場合、2025年の未調整の賃金格差は15%となり、標準定義による16%をやや下回る。これは、公的行政や教育分野では男女間の賃金差が比較的小さいためである。連邦統計局によれば、公的行政および教育分野の格差は4%にとどまる一方、民間部門では17%に達する。こうした点から、公的部門と民間部門では賃金格差に明確な違いがあることが分かる。

未調整格差の約6割は説明可能

連邦統計局によると、未調整の男女賃金格差の約60%は、統計モデルで利用可能な変数によって説明することができる。つまり、男女の平均時給差4.24ユーロのうち2.53ユーロ(59.7%)は、パートタイム労働、従事する産業の違い、技能水準・職務要件などの要因によって説明できる。2.53ユーロのうち0.81ユーロ(19.1%)は、女性にパートタイム労働が多いことによって説明できる。また、0.75ユーロ(17.7%)は、平均賃金の低い産業や職業に女性が集中していることによって説明できる。さらに、13.0%(0.55ユーロ分)は、職業上の技能水準や職務要件の違いによって説明できる。これらの定量化可能な要素は、労働市場の構造的要因が、引き続き男女間の賃金格差に影響していることを示している。

調整後の男女賃金格差は6%

これに対し、格差の残り40%、すなわち1時間当たり1.71ユーロについては、利用可能な統計モデルでは説明できない。男女の賃金差のうち、上述の学歴や職業、就業経歴などの違いで説明できる部分を取り除いても、なお残る差がある。これが「調整後の男女賃金格差」であり、2025年は6%であった。つまり、女性と男性が同程度の資格や就業経歴などを持っていても、女性の平均時給はなお男性より6%低いことを示している。

連邦統計局によれば、賃金に影響する追加的要因、例えば妊娠・出産や介護責任に伴うキャリア中断に関する情報が利用可能であれば、この説明不能な差はさらに小さくなる可能性があるという。このため、調整後の男女賃金格差は、女性に対する潜在的な賃金差別の上限値として位置づけられる。

連邦統計局はまた、未調整数値と調整後数値は、それぞれ異なる分析目的を持つことを強調している。未調整数値は平均総時給をそのまま反映するものであり、労働市場参加をめぐる構造的格差や障壁を捉える。他方、調整後数値は、特定の説明要因を取り除いたうえで、観察可能な変数では説明できない残差部分を明らかにする。両数値を併せてみることで、賃金不平等の全体像と、測定可能な属性では説明できない部分の双方を把握することが可能となる。

参考資料

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