女性の職場セクハラ被害は男性の約4.7倍
台湾労働部の調査によると、職場でセクハラ被害を受けた女性の割合は男性の約4.7倍に上ることが明らかになった。調査では、職場における差別の実態や企業の休暇制度への対応状況なども示されている。
調査結果の概要
台湾の労働部は3月6日、「2025年雇用管理および職場における雇用平等に関する概況調査(注1)」を公表した。調査結果によると、「職場における性別平等法(性別平等工作法(注2))」の施行以来、従業員規模30人以上の企業の約9割がセクハラ防止措置を整備していることが明らかになった。しかし、過去1年間(2024年8月~2025年7月)に職場でセクハラを受けた女性従業員の割合は、男性の約4.7倍に上っている。男女を問わず、性別以外の職場で経験する差別的扱いとして最も多かったのは「年齢」であった。
「職場における性別平等法」の実施状況および被雇用者の職場における雇用平等の実態を把握するため、台湾労働部は2025年8~9月に、「企業」および「従業員」を対象とする「雇用管理就業平等概況調査」および「職場就業平等概況調査」を実施した。有効回答数は、企業3,243件、従業員6,920件(女性4,802件、男性2,118件)であった。調査報告は、「職場でのセクハラ防止状況」「職場平等促進措置」「職場差別実態」の三つの項目で構成されている。
セクハラ被害の一部は申立てに至らず
調査によると、女性従業員が過去1年間(2024年8月~2025年7月)に職場でセクハラを受けた割合は3.3%で、男性の0.7%を大きく上回り、約4.7倍となった。
女性従業員が職場でセクハラを受けた場合の主な加害者は「同僚」と「顧客」で、それぞれ1.7%、1.2%であった。セクハラの形態としては、「非身体接触型」が1.9%で最も多く、これには言語による嫌がらせ、盗撮、つきまといなどが含まれる。偏見や敵意を伴う言動などの性差別的言動は0.8%であった。さらに、「非敏感部位への接触」と「敏感部位への接触」は、それぞれ0.2%、0.3%となっている。
注目すべき点として、被害者の一部は申立てを行っていない。職場でセクハラを受けた女性従業員(3.3%)のうち、セクハラを受けて実際に被害について申立てを行った者は1.3%、申立てを行わなかった者は2%であった。申立てを行わなかった主な理由としては、「冗談として受け止め、取り合わなかった」(1.1%)が最も多く、次いで「申立ての方法や窓口を知らなかった」(0.3%)が多かった。また、「二次被害を受けることへの懸念」や「失業への不安」も、それぞれ0.2%となっている。
一方、多数の企業ではすでにセクハラ防止対策を実施している。従業員規模30人以上の企業のうち、「セクハラ防止措置、申立ておよび懲戒に関する規定」を定めている割合は、2025年は88.9%に達し、2002年の35.5%から53.4ポイント大幅に増加した。
企業は各種休暇制度に概ね前向き
企業は「職場における性別平等法」に基づく各種休暇制度についても、概ね前向きな姿勢を示している。
企業が従業員による母性保護関連休暇の申請を認める割合は、いずれも8割を超えている。なかでも「産前産後休暇」の申請を認める割合が95.2%と最も高く、次いで「安胎休養」93.0%、「流産休暇」92.8%となっている。「配偶者の出産健診・出産付き添い休暇」「生理休暇」「妊婦健診休暇」は、それぞれ89.9%、88.0%、86.9%であった。
また、従業員100人以上の企業では78.3%が託児サービスまたは託児支援措置を提供しており、84.0%が授乳室(搾乳室)を設置している。
一方、企業が従業員による「家庭看護休暇」の申請を認める割合は80.0%であり、従業員30人以上の企業では94.7%に達している。
「家庭看護休暇」の取得日数の計算方法については、労働部による解釈令が2026年1月1日から施行されている(注3)。「職場における性別平等法」第20条第1項は、従業員の家族が予防接種を受ける場合や重い疾病、その他重大な事故が生じ、家族本人が直接世話をする必要がある場合、家庭看護休暇を申請できると定めている。家庭看護休暇の日数は年間の家族看護関連休暇の枠内で計算され、年間7日を上限としている。
家庭看護休暇の理由は多様であり(例えば、子どもの急な病気など)、必要となる回数や時間も一定ではないことから、従業員が柔軟に利用できるよう、家族の世話を行う必要がある場合には「時間」を単位として休暇を申請することも可能であり、雇用主はこれを拒否することができない。
なお、休暇を時間単位で取得する場合、「7日」を1日8時間として計算し、合計56時間(8時間×7日)付与される。従業員が時間単位での取得を選択した場合、その後「日単位」に変更することはできない。
職場における差別要因では「年齢」が最多
職場における性別に基づく差別的な扱いをみると、不平等な扱いを受けた項目として最も多かったのは「仕事の分配」で2.2%、次いで「賃金の調整幅」が1.7%であった。「賃金水準」および「求職」に関する不平等も、それぞれ1.6%となっている。
このうち女性では、「仕事の分配」と「賃金の調整幅」において不平等な扱いを受けた割合がいずれも2.5%であり、男性(「仕事の分配」1.9%、「賃金の調整幅」1.0%)を上回っている。
また、性別以外の職場で差別を受けた要因をみると、最も多かったのは「年齢」で3.9%、次いで「外見」1.7%、「階級または職位による区分」1.6%となっている。男性では、「年齢」(4.4%)および「外見」(2.0%)、「党派」(1.3%)による差別を受けた割合が女性を上回っている。
注
- 114年僱用管理及工作場所就業平等概況

附件_114年僱用管理及工作場所就業平等概況-含圖表 (PDF:388KB)
(本文へ) - 勞動部勞動法令查詢系統-所有條文
(本文へ) - 核釋「性別平等工作法」第20條第1項之相關規定,自115年1月1日生效
(本文へ)
参考文献
- 台湾労働部、勞動部勞動法令查詢系統、行政院公報資訊網
2026年3月 台湾の記事一覧
- 台湾、2026年の「同酬日」は2月28日
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