「蔚山広域型ビザ」で造船業に外国人労働者を導入

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蔚山広域市は、外国人労働者を造船業で受入れる地域特化型の「蔚山広域型ビザ」モデル事業を実施しており、2026年末までに440人を受入れ予定である。

以下で主な内容を紹介する。

蔚山市が造船業特化型ビザを導入

広域型ビザは、広域地方自治体が地域産業需要を反映してカスタマイズ型ビザ制度を設計し、法務部の承認を受けて企業に外国人材を供給する制度で、2025年から2026年末まで様々な自治体で試験事業が進行中である。「蔚山広域型ビザ」モデル事業はその一つであり、2025年5月から2026年末まで実施されている。蔚山広域市は、人材難に陥っている造船業の現場に外国人労働者を的確に配置することで産業競争力の強化と、地域の活性化を図ることを本事業の目的としている。

受入れ職種は、造船溶接工、船舶電気技術者、船舶塗装工の3職種である。送出国は、ウズベキスタン、タイ、ベトナム、インドネシアの4か国である。

外国人労働者は、送出国の人材養成センターで職務、韓国語、韓国社会文化(職場の礼儀や基礎的な法律)などについて3~6か月間教育を受ける。その後、上位90%の人材が選抜され、ビザが発給される。在留資格は、「一般技能人材(E-7-3)」である(注1)

蔚山市は2024年にウズベキスタンと了解覚書(MOU)を締結し、ウズベキスタン現地に「造船業人材養成教育センター」を設置した。研修は3か月間で10回行われる。蔚山市が予算10億ウォンで教育機材を支援するほか、大手造船企業であるHD現代重工業が教育カリキュラムの構成と講師派遣を担当する。一方、教育施設の運営支援及び受講生の募集はウズベキスタン政府が行う。

2025年11月には、ベトナムからの労働者49人が韓国に入国した。2025年12月時点では、同制度を通じて就労する外国人労働者は89人となっている。

蔚山市は、2026年末までのモデル事業期間中に440人を2026年末までに市内の造船企業に配置予定である。事業所ごとに雇用できる外国人労働者の上限は、韓国人雇用労働者数の30%以内である。

労組からは批判の声も

全国8社の造船会社労働組合で構成された造船業種労組連帯は、「造船所の人手不足の原因は、元請・下請間の格差拡大や低賃金、危険な作業環境にある。それを改善しようともせず、外国人労働者の受入れをさらに拡大して人手不足を解消しようとするとは言葉もない」として広域型ビザの拡大に反対している。また、HD現代重工業労組は2025年12月、民主労総蔚山地域本部とともに記者会見を開き、広域型ビザ制度は「韓国人や元請企業の新規雇用の縮小につながっており、青年失業の解消の妨げとなっている」と批判し、広域型ビザ制度の廃止と造船業の青年正規職雇用拡大などを訴えた。

李在明大統領は2026年1月23日に蔚山市で開催された会議において、広域型ビザについて「外国人労働者を安く雇うことが地域経済にどのように役に立つのか見極める必要がある」とし、「論争的な事案」などと発言した。外国人材が地域に定着せず、所得を送出国に送金した後に帰国する仕組みであれば、制度の実効性を点検しなければならないという趣旨である。これに対して、金斗謙蔚山市長は26日の記者会見で、「造船業は韓国人が就業したがらない産業であり、外国人労働者を確保できなければ競争力の維持が難しくなる可能性がある」と述べた上で、「政治的な観点ではなく経済的な観点でみてほしい」と強調した。

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