未熟練業務の民間委託などで官民の賃金格差が拡大
―統計局

カテゴリー:労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2011年8月

イギリス統計局は7月、公共部門と民間部門の平均賃金の差に関する分析結果を公表した。公共部門の賃金水準は、2010年時点で民間部門を7.8%上回っており、2007年の5.3%から2.5ポイントの増加となった。統計局は主な理由として、公共部門では専門性の高い仕事の割合が増加しており、未熟練の仕事は民間部門に委託される傾向にあることを挙げている。

専門性の差は官民の女性労働者の間でとりわけ顕著にみられる。公共部門では、高い専門性を要する仕事に従事する層が28%を占めるのに対して、民間部門では18%。一方で、専門性の低い仕事(中程度の下から低度)に従事する女性労働者が民間部門では53%と過半数にのぼるのに対して、公共部門では39%となっている。

また関連して、学位レベルの教育資格を有する労働者の比率も公共部門で高い(38%、民間部門では23%)。なお統計局の推計によれば、同等の教育資格を保有する労働者の間で比較する場合、学位レベル未満までは公共部門労働者の賃金水準が2~6%高いが、学位レベルの資格保有者については、民間部門の労働者が5.7%上回っている。

このほか、公共部門は労働者の平均年齢が高く、また年齢と経験により賃金が上昇する傾向にある。一方、民間部門は公共部門に比べて賃金水準の分布が広範で、上位5%が下位5%の5.6倍の賃金を得ている(公共部門では4.6倍)。

部門別・専門性別就業者比率(%)
専門性 2002年 2010年
公共部門 民間部門 公共部門 (女性) 民間部門 (女性)
高度 23 23 31 (28) 26 (18)
中程度-上 30 24 28 (25) 23 (14)
中程度-下 35 40 32 (39) 37 (53)
低度 12 13 9 ( 8) 14 (15)

参考資料

  • "Estimating differences in public and private sector pay", Office for National Statistics

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