貨物連帯ストは混乱なく終了、双竜自動車は長期化

カテゴリー:雇用・失業問題労使関係

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  • 国別労働トピック:2009年7月

韓国で運輸関係労組がストに入り一部貨物輸送に影響がでたが、大きな混乱はなく終了した模様だ。6月10日、全面ストライキに入ったのは貨物トラック運転手約1万5000人が所属する全国運輸産業労働組合・貨物連帯。ストの影響により鉄道を利用した貨物輸送が一時急増した。国土海洋部によると、13日の鉄道を利用したコンテナ輸送は、通常の週末の2倍以上となったという。

しかし、全国運輸産業労働組合・貨物連帯による全面ストライキは15日には終了した模様だ。ストの主要因となっていた大韓通運の解雇者38人の復職問題などについて、同社と貨物連帯の間で合意が成立したため。合意文には、大韓通運が解雇者を今年3月15日以前の勤務条件で復職させることなどが盛り込まれた。ストが終了した15日、主要物流基地である義王内陸コンテナ基地(京畿道)や平澤港(京畿道)は正常化している。

他方、鉄道労組でもストの動きが出ている。全国民主労働組合総連盟(民主労総)、全国運輸産業労組傘下の全国鉄道労組(KORAIL)は21日、23日から全国的なストライキ(安全運行闘争)を行うことを明らかにした。特急のセマウル号やムグンファ号など旅客車および貨物車など、KORAILのすべての車両が対象となり、列車の遅れなど影響が懸念されている。KORAIL側は22日から対策本部を開いて代替列車を準備するなど地域別の対策を実施し、列車の遅れを最小化させる方針という。

一方、経営再建を進める双竜自動車の労働組合がリストラ撤回を求めて起こしたストは長期化の様相を見せている。同社は26日、希望退職者の再募集や経営再建後の再雇用などを盛り込んだ最終案を提示した。同案の主な内容は、(1)約320人に営業職などへの転換を図って雇用を維持(2)約200人は2012年まで休職もしくは優先的な再雇用の機会を付与(3)約450人に希望退職の機会を再度付与(4)すでに希望退職した人(1670人)に対しては人員充てんの必要が生じた場合優先的に雇用する制度を適用――というもの。しかし、会社側の同最終案に対し労組はこれを不満として拒否した。

一カ月以上にわたり平澤工場(京畿道)を占領する労組にたまりかねた社員約3000人は同日午後1時45分ごろ、門外から工場敷地内に進入。労組と激しいもみ合いになり、十数人が負傷、警察が介入する事態となった。交渉を続ける双竜自動車の労使だが、お互いの歩み寄りは見られておらず、これ以上長引けば危機的な状況に陥る可能性もある。

資料出所

  • NNA、ソウル経済新聞、聯合ニュース他

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