労働省、外国の児童・強制労働で生産された製品リストを公表 

カテゴリー:労働法・働くルール

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  • 国別労働トピック:2009年10月

連邦労働省国際労働局は、9月10日、児童労働と強制労働に関する報告書を公表した。『児童労働または強制労働によって生産された品目リスト』と題された報告書(注1)によれば、インドやミャンマー、バングラデシュなど58か国において、児童労働か強制労働、またはその両方によって122品目の製品が生産されている。挙げられている品目のうち農産物が最も多いが、鉱工業製品も含まれている(表1参照)。

本報告書では「ほとんどのアメリカ人は自分が買い求める品物が、児童労働や強制労働によって生産されたものだと知らずに消費している。こうしたアメリカ国民の問題意識を喚起することが今回発行されたレポートの目的である」と指摘。その上で、これらの製品は国際的な労働基準に違反して製造された製品であり、輸入対象品から除外していくべきであると強調する。

この調査は着手された1995年以降、7億2000万ドルの資金を投じ80カ国以上を対象とした。労働省は国務省や国土安全保障省、農務省など各省庁の協力のもとで調査にあたった。調査の方法は、国務省や各国の在外公館の調査のほか、非政府組織やマスメディアによる情報も参照している。リストに掲載するにあたって、古くとも7年間以内の情報に基づき、複数情報源によって確認、複数の企業、複数の事業所で確認されたものに絞込んだうえで作成したとする。

資料出所:連邦労働省資料

この報告書は人身取引被害者保護再授権法(注2)に基づいて作成されたものであり、そもそも本法律はクリントン政権時代に国際組織犯罪対策の一環として人身売買の防止、訴追および保護を目的として制定されたものである(注3)。今回の報告書と同種のものでは、大統領命令13126号(1999年6月12日クリントン大統領署名)(注4)に基づいて作成された強制あるいは契約上の児童労働による品目リストがある。このリストは広く一般からの情報提供を基づいて、適宜見直しがされており、現在のリストでは、ミャンマーとパキスタンにおいて、サトウキビ、ゴム、米、煉瓦などの品目が対象とされている。2001年3月にはコートジボワールにおけるココア産業に関して、また、同年6月には中国において生産された爆竹が、強制の児童労働によるものではないか、と情報提供を公募する発表を行っている。中国の爆竹に関しては、2003年5月に確たる証拠がなかったとして、リストへ掲載しない決定を下している(注5)。さらに、中国に関しては、2007年10月より、煉瓦、石炭、綿、花火などの製品が児童労働または強制労働に基づくものではないか、と情報提供を求めていた。大統領命令13126号に基づくリストは今回、第一回目の決定作業に入っており、12月10日までの期間を設けて情報提供を呼びかけている。このリストには中国の煉瓦、綿、電子製品、玩具やミャンマーの米、ゴム、サトウキビなどが掲載されている。リストに掲載された製品や該当する国々の扱いについて、連邦政府機関に対して該当する製品を購入しないように促すことは可能だが、該当する国に対して貿易上の制裁を加えることは想定していない(注6)。

参考資料

  1. 中川かおり(2004)「米国の人身取引に関する立法動向(PDF:1.26MB)リンク先を新しいウィンドウでひらく」『外国の立法』220(2004年5月)
  2. 中川かおり(2005)「米国の人身取引対策―国内の取組みを中心に(PDF:1.12MB)リンク先を新しいウィンドウでひらく」『外国の立法』223(2005年2月)
  3. アン・M・カンバラ(2004)「人身売買問題に挑む-他者の尊厳を支えるために」在日米国大使館のホームページ
  4. Daily Labor Report, Sep. 10, 11, 2009

参考

  • 1米ドル(USD)=89.82円(※みずほ銀行リンク先を新しいウィンドウでひらくホームページ2009年10月5日現在)

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