職業紹介所に代わり、「ジョブセンター」が発足
2007年1月1日、全国一斉に実施された地方自治体改革(注1)に伴い、これまで県(アムト)が所轄していた職業紹介所(AF)と市(コムーネ)の雇用対策を担当していたセクションが統合し、新しい職業斡旋機関「ジョブセンター」が誕生した。今後の職業斡旋事業は、全国91(注2)に設立されたジョブセンターで一括して行われることになる。
従来の制度との関係
旧制度下においては、失業保険基金に未加入であるため失業保険受給資格がない者(現金扶助受給者)の職業斡旋は、当該人が居住する自治体の雇用促進係が担当し、失業保険基金の加入者を対象とした職業斡旋については県(アムト)が管轄する職業紹介所(AF)が担当していた。そしてこの二つのシステムが同時に平行して機能していたのだが、今回の自治体改革により2007年1月1日以降は新たに設立されたジョブセンターが職業斡旋事業全般を所轄することになる。
サービスの改善
これまで福祉サービスを含め、現金扶助受給者に対する職業斡旋事業を展開してきたコムーネは、失業者一人ひとりのさまざまなニーズ(社会的、家庭的、人間的、職業的)を包括的に把握することに長けていた。一方、職業紹介所(AF)の強みは、労働市場の状況を的確に把握していることに加え、地域の企業とより密接な繋がりを持っていることであろう。新規にスターとしたジョブセンターは、これら両者の利点を十分に活用し、より効率的且つ総合的な職業斡旋事業を展開することができるのではないかと期待されている。
注
- 2006年12月31日をもって従来の14の県(アムト)が廃止され、2007年1月より「リージョン」と呼ばれる5つの広域行政機構((1)北ユラン・リージョン、(2)中部ユラン・リージョン、(3)南デンマーク・リージョン、(4)シェラン・リージョン、(5)首都圏リージョン)が発足した。リージョンの責務は主として医療行政の所轄。以前の県と異なり課税権がなく、2007年から目的税として新規に導入された「保健税:8%」が同事業の財源とされる。また、270あった市(コムーネ)は、人口3万人以上を目処に合併・統合され、合わせて98に再編成された。
- 人口規模が小さいために複数のコムーネが一つのジョブセンターを供給しているケースがあり、センターの数はコムーネの総数より少ない。
2007年2月 デンマークの記事一覧
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