日系企業において大規模ストライキが多発
2006年2月末、ベトナム南部の複数の日系企業において賃上げを求める従業員による大規模なストライキが発生した。発生したストライキの多くが労使交渉を経ずに行われる違法なストライキ(いわゆる山猫スト)(注1)で、合計で十数件、1万人以上が参加する大規模なストライキとなった。
ストライキの背景には、2006年2月に実施された最低賃金の引き上げで労働者全体の賃金が底上げされたことによって、既に比較的高い賃金を得ていた日系企業労働者の不満が広がったとみられている。2006年に入ってストライキの発生件数は急激に増加しており、近年の年間平均ストライキ数が100件程度であったのに対し、2006年は第一四半期だけで約200件以上のストライキが発生した。これを受けて政府は、2006年6月、労働法第14章の改正補充案を上程するなど、労働紛争の解決手続きに関する整備を進めている。
注
- ベトナムでは労働協約が存在しても、団体交渉と云う概念がなく、団体交渉は行われていないことから、ストライキの多くが団体交渉が決裂した結果ではなく、個人の不満が、仲間に広がり、その結果ストライキとなることが多いといわれる(JILAF)。
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