タクシン首相、貧困撲滅政策モデル事業に着手

カテゴリー:雇用・失業問題

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  • 国別労働トピック:2006年3月

2005年末に発表されたタクシン首相の貧困撲滅政策のモデル事業がスタートし、モデル地域に指定されたロイエット県アサマート郡では、地方政府が登録した貧困者を対象に、具体的な貧困撲滅政策が実施されている。

2006年1月16日からは、首相自らロイエット県に赴き、直接事業の指導を行った。現地では、農業・農協銀行(BAAC)、SMEバンクによる低金利の融資や、学生への奨学金支給、農地や道路などのインフラ設備を実施していく予定である。

今回の首相訪問では、テレビの実況中継がなされ、首相と住民との対話の様子や、農地に直接赴く首相の姿が放映され、一部の有識者の中からはタクシン首相の行き過ぎたパフォーマンスとして批判されている。

首相は2006年1月より民間新聞社社長のソンティ氏を中心としたグループなどから度重なる退陣要求デモを実施され、さらに自社株の売買のインサイダー取引と節税対策の問題が明らかとなり、非常に苦しい立場に立たされている。そういったイメージの払拭を狙った「政治ショー」であると野党や有識者は冷ややかな目で、このモデル事業を傍観しているようだ。

参考

  • Bangkok Post,2006年1月17~31日、週刊タイ経済、2006年1月23日号

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