移民労働者の雇用拡大に期待

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2006年2月

インドネシア人の移民労働者に対する国外からの需要は、2004年にはサウジアラビアが隣国のマレーシアを上回り、最も多かった。労働移住省の発表により明らかになった。

移民に対する雇用需要数は、国別にはサウジアラビア(46万3155人)、マレーシア(26万9393)に台湾(3万1616)、香港(3万1305)が続く。そのほか雇用需要の多い国は、中東地域ではクウェート(2万6078)、ヨルダン(1万495)、カタール(4553)、アラブ首長国連邦(4405)など。アジア・太平洋地域ではシンガポール(1万8354)、韓国(1万2839)、ブルネイ(1万2219)などである。地域別には中東・アフリカ地域がアジア・太平洋地域よりも多くなっている。

また同年における移民のあっせん数を国別にみると、やはりサウジアラビアがトップ(14万5922人)で、次いでマレーシア(5万3923)、クウェート(1万3610)、ヨルダン(9976)、シンガポール(9412)の順で多い。移民による外貨収入額は、アジア太平洋地域(3億5508万8125米ドル)、中東・アフリカ地域(1億8083万9612米ドル)、中南米(153万2160ドル)、欧州(19万4880米ドル)の順で多い。このうちアジア太平洋地域、中東・アフリカ地域については前年のそれぞれ15倍、5倍に増加した。

統計をみる限り、インドネシア移民に対する外国からの雇用需要はあっせん数を大きく上回っている。今後、国外での就労の機会はいっそう拡大することが予想される。彼らがもたらす外貨収入はインドネシアにとって貴重な収入源だが、一方では移民の人権保障の問題がマスコミや人権団体などで大きな議論を呼んでいる。例えば、インドネシアの法律(インドネシア国籍に関する1958年第62号法)によれば、外国に継続して5年以上滞在し、その間にインドネシア国籍の更新手続きを大使館に申請しない者は、インドネシア国籍を喪失する。マレーシアには農園などで長年働き、国籍を失ったインドネシア移民が数十万人いるとされる。医療や教育を受ける権利を与えられないそうした移民に対し、政府の保護措置を求める声もでている。

参考レート

  • 1米ドル=117.96円(※みずほ銀行ウェブサイト2006年2月8日現在)

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