海外派遣労働者:帰国後就職できるのはわずか20%

カテゴリー:外国人労働者

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  • 国別労働トピック:2005年5月

ホーチミン市労働・傷兵・社会局によると、同市では毎年平均約1,000人の労働者を海外に送りだしているが、帰国後就職できるのは労働輸出された労働者の約20%にすぎない。

帰国すれば失業の恐れ

逃亡原因の一つは帰国後の失業への不安。日本で研修生として働いていたTさんは契約が終了する1ヶ月前に仕事場から逃亡。「契約不履行の危険を負ってでも日本に留まってお金を稼ぎたかった。帰国すれば失業してしまう。」というのが理由だという。現在、帰国したものの工場での職は見つからず、バイク部品を販売する小さな店を開いている。

熟練労働者不足に悩む国内企業にとって、海外派遣労働者は貴重な人材であるはずだ。しかし海外派遣労働者の帰国後の就業状況についての分析がなされたことはなく、就職斡旋システムも未整備のままである。

現在、海外派遣労働者の帰国後の復職斡旋については、派遣機関による自主的な取り組みに委ねられているのが現状。スレコ労働力輸出機関(Cong ty Suleco)が契約終了の数月前に帰国労働者の専門に応じて復職斡旋を行っているほか、労働者派遣ビジネス旅行総合会社(Cong ty Sovilaco)では帰国労働者の名簿を作成、求人があればいかなる企業でも紹介するとしている。

労働・傷兵・社会省は、2005年中にも労働力輸出法を制定、逃亡した海外派遣労働者への処罰の厳格化を予定しているが就職支援の整備を進めない限り逃亡の抑制は困難とみられている。

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