雇用増が鈍化、失業率はわずかに上昇
政府人材開発省(MOM)が発表した3月末の失業率(速報値、季節調整済み)は、3.9%となり、昨年12月末の3.7%からわずかに悪化した。経済成長の鈍化が背景にあるようだ。
失業率は、1997~98年のアジア通貨危機以前の水準(1.9%)に比べ、2倍に上昇した。ただ、5.7%と17年ぶりに最悪水準となった2003年9月末時点に比べると、それほど悲観的な数字ではない。1~3月期の就業者数は222万人で、前期から1万1600万人増加したものの、増加幅は昨年4~6月期以来、最低となっている。
業種別では、就業者全体の69%を占めるサービス業が6500人増で、前期の2万8100人増から大幅減となっており、製造業も6300人増から4400人増へと減少した。連続で減少していた建設業は、1100人減から700人増へと17四半期ぶりにプラスに転じ、雇用市場は底入れの兆しがみられる。
また、1~3月期の解雇者数は2000人で、前期の3207人から大きく改善。前年同期の2962人と比べても回復した。業種別では、製造業が1200人で前期の1380人から減少。サービス業も1728人から800人へと半減した。
メーデーラリーで首相就任後初の演説を行ったリー・シェンロン首相は、政労使関係の重要性に触れ、「3者間協力は、経済生き残りや雇用創出の基礎になる。中国、インドの台頭に伴う新しい経済環境に対応するため、変革の時期にきている。今後数年の国の動きが、新しい環境に順応できるかを左右する」と説明、「今後も政労使3者間の建設的な関係構築を進める」と述べた。
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