子供を持つ女性の就業率は低く、パートタイム比率は高い
―EU25カ国における仕事と家庭生活の調和に関する調査（2003年）

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カテゴリー：非正規雇用、労働条件・就業環境、統計

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• 国別労働トピック：2005年5月

欧州統計局は、4月12日、仕事と家庭生活の調和における男女格差に関する調査結果を発表した。同調査によると、2003年のEU25カ国における12歳以下の子供を持つ20～49歳の女性の就業率が60％であるのに対し、12歳以下の子供を持たない女性の就業率は75％であった。他方12歳以下の子供のいる男性の就業率が91％であるのに対し、12歳以下の子供のいない男性の就業率は86％で、正反対の結果となった。

子供を持つ女性就業者の高い割合がパートタイム労働者として働いている一方、子供を持たない女性は5人に1人がパートタイム労働者となっている。

調査は、最も小さい子供の年齢と就業率、子供の数と就業率、教育水準と就業率、子供の有無と夫婦の働き方などの指標も示している。

2003年の12歳以下の子供を持たない女性の就業率は、ほぼすべての加盟国（エストニア、フィンランドはわずかに女性が高率）において男性の同じ比率よりも低かった。子供のいない女性の就業率が高いのは、チェコ共和国（86％）、エストニア（84％）、オーストリア・イギリス・スロベニア（83％）であり、低いのはマルタ（38％）、イタリア（60％）、スペイン（62％）であった。

12歳以下の子供のいる女性の就業率は、スロベニアとデンマークを除くすべての加盟国で子供がいない女性の就業率よりも低かった。子供のいる女性の就業率が高かったのは、スロベニア（85％）、デンマーク（80％）、リトアニア（79％）、ポルトガル（76％）であり、就業率が低いのは、マルタ（27％）、イタリア及びハンガリー（50％）、スペイン（51％）、ギリシャ（53％）、チェコ共和国（54％）であった。子供の有無による女性の就業率の差異は、チェコ共和国、ハンガリー、スロバキア、エストニア、イギリス、ドイツにおいて顕著であった。

男性に関しては、すべての加盟国において、子供がいる男性の就業率が子供のいない男性のそれよりも高かった。

EU25カ国における12歳以下の子供がいる女性パートタイム労働者の就業率は、2003年に23％であったのに対し、子供がいない女性パートタイム労働者の就業率は、15％であった。母親のパートタイム就業率が高いのは、オランダ（55％）、イギリス（36％）、ドイツ（35％）、オーストリア（32％）、ベルギー（27％）、ルクセンブルグ（26％）であった。母親のパートタイム就業率がとりわけ低いのは、スロバキア及びスロベニア（2％）であった。男性のパートタイム就業率は、子供の有無にかかわらず、3％の低い水準となっている。

子供の数と就業率の関係を見ると、子供の数が増えるに従って女性の就業率が低下する明確な傾向が認められる。2003年のEU25カ国における20～49歳の女性の就業率は、12歳以下の子供が1人いる場合が65％、2人が58％、3人以上が41％となっている。男性の就業率は、子供1人91％、2人92％、3人以上86％である。

子供が3人以上いる女性の就業率は、すべての加盟国において、子供が1人または2人いる母親よりも低かった。子供が1人いる母親と3人以上いる母親の就業率の格差が大きいのは、子供が3人以上いる女性の就業率が最も低い3つの加盟国、ハンガリー（59％と13％）、スロバキア（68％と27％）、チェコ共和国（61％と22％）である。子供が3人以上いる女性の就業率が最も高いのは、スロベニア（82％）、デンマーク（67％）、ポルトガル（60％）となっている。

• 注1：「－」は、有用なデータなし。
• 注2：括弧（）付データは、サンプル数が小さいため、信頼性が比較的低い。

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• 注2：括弧（）付データは、サンプル数が小さいため、信頼性が比較的低い。

出所

• 欧州統計局（EUROSTAT）ホームページ