女性の活用と定年退職制度に関する調査報告
―中年女性労働者の労働市場参加への促進

カテゴリー:雇用・失業問題労働条件・就業環境

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  • 国別労働トピック:2005年3月

台湾労工委員会(CLA)は最近、中年女性労働力に関する調査結果を発表した。同調査報告書によると、2003年度の台湾の女性労働力の就労率は47.1%で、日本(48.3%)や韓国(48.9%)と比較して低い水準にとどまっており、米国(59.5%)の就労率と比較すると大幅に下回っている。アジアの場合、一般的に女性の就労率は、育児期に大幅に低下し、子供の成人後にその比率が回復する傾向にある。しかし、台湾では事情がかなり異なっている。出産育児後に再就職しない女性就労者が少なくない。

台湾地区15歳から64歳までの現在無職の既婚女性の就業経歴(単位:%)
年別 総合計 結婚退職後、復職したが、現在は無職 結婚退職後 離職したまま 出産育児退職後、復職したが、現在は無職 出産育児退職後、離職したまま その他の原因よる離職 就職したことがない
人 数
(千人)
1998年 2396 100.0 1.28 31.69 0.90 9.72 10.02 46.39
1999年 2317 100.0 1.55 30.56 1.06 12.27 11.53 43.02
2000年 2431 100.0 2.10 37.86 2.98 16.67 11.03 29.67
2001年 2597 100.0 3.56 40.63 3.43 16.08 13.22 23.63
2002年 2591 100.0 4.56 35.51 3.26 16.18 16.08 25.04

出所:行政院主計局「女性の結婚、育児、就業に関する調査」

25歳から40歳までの台湾女性の就労率は日本と韓国を上回っているものの、40歳を超える女性に関する就労率は両国を大幅に下回っている。従って、女性の再就職を促進させることが、中年女性労働力の完全利用を実現し、台湾全体の女性労働力の就労率を上昇させることになる。

最近10年のサービス産業の発展によって、女性に関する雇用創出は全体として増大傾向にある。25歳から29歳、30歳から34歳、35歳から39歳の女性に関する就労率はそれぞれ9.99%、10.34%、7.23%増となっている。40歳から54歳の女性に関する就労率の上昇率は日本と韓国を上回っているが、その差は年々縮まってきており、中年女性全体の就労率は両国と比較して依然低い状況にある。45歳から49歳の女性の2003年の就労率は、台湾56.23%、韓国61.5%、日本72.5%、50歳から54歳の女性については、台湾44.09%、韓国55.5%、日本68.1%、55歳から59歳の女性については台湾28.59%、韓国49.0%、日本58.9%となっている。その数値を見ると、台湾の中高年女性労働力を活用する余地はまだ残されていると言えよう。女性労働力を活用する上で重要なことは、女性に第2の雇用機会を提供する手段と女性の労働能力を向上させる手段の確立である。

図1

2003年については、女性就労者の約68%がサービス産業に従事しており、その内訳は接客業25.19%、事務職20.45%、製造業21.34%、技術職・補助職18.21%、専門職8.36%となっている。医療・介護サービス、観光、娯楽などは中高年女性に適した業種である。従って、女性就労者の適性を分類した上で、熟練指導員から十分な訓練を受けることによって、中高年女性の国内での競争優位を高め、自信を取り戻して働く喜びを味わうために、再就職したいと考える中高年女性を支援することにもなる。

サービス産業に占める職種割合(2003年)

図2

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