進む少子高齢化

カテゴリー:高齢者雇用統計

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  • 国別労働トピック:2005年2月

韓国は2050年には世界で最も高齢化が進んだ国になる。これは国家統計局(NSO)が最近公表した人口に関する報告書の中で明らかにされた。UN(国際連合)の統計値に基づくNSOの予測によれば、65才以上の高齢者の割合は2050年までに人口の37.3%に達し、日本を上回り世界一となる。

2005年現在の高齢者比率は9.1%。1960年には2.9%、1980年には3.8%にとどまっていたが、2000年には7.2%、2003年には8.3%と上昇してきた。今後、2010年には10.9%、2020年には15.7%、2030年には24.1%と、加速的な上昇が見込まれている。

UNのデータによれば、韓国に次いで高齢化が進む国としては、日本(2050年時点の高齢者比率が36.5%)、スペイン(35%)、イタリア(34.4%)、オランダ(33.2%)があげられている。

韓国の人口の高齢化は医療の向上による平均余命の伸長と、出生率の急低下によりもたらされたものだ。1960年代から低下が続いている出生率は、1970年の4.53から2003年には1.19と、日本(1.29)を下回る低水準となった。それは若い夫婦が子供を持つことを避ける傾向にあるところが大きいとNSOはコメントしている。

現在人口の多くの割合を占める30代、40代の層のなかには、未婚あるいは結婚しても子供を持たない者が多い。この年代が65才以上の高齢者になったとき、韓国の人口構成は極端な不均衡に直面することになるという。UNの定義によれば65才以上人口が14%を占めると「高齢社会」となるが、韓国ではそれは2018年と予想されている。

現在のような人口の高齢化が続けば、経済成長の可能性は激減し、今後は低成長時代に突入することが専門家の間で懸念されている。政府は長期的な解決策を講じる必要があり、年金制度の改革や税制優遇などの出産促進策を導入するべきだという見方も示されている。

韓国の人口は2004年末現在で4829万人。2020年にピークの4995万に達した後は減少に転じると見込まれている。5000万人の大台を超えることは、現時点では難しいと予想されている。

人口構成の変化予測(%)
  2005年 2050年
0~14才 19.1 9.0
15~64 71.8 53.7
65~ 9.1 37.3

資料:韓国労働部

合計特殊出生率の推移
  1970年 1975年 1980年 1985年 1990年 1995年 2000年 2003年
韓国 4.53 3.47 2.83 1.67 1.59 1.65 1.47 1.19
日本 2.13 1.91 1.75 1.76 1.54 1.42 1.36 1.29

資料:韓国国家統計局、厚生労働省

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